Central Bank Gold Buying Has Slowed But the Bullish Case Remains [LINK]
【海外記事より】中央銀行による金(ゴールド)の購入ペースがここ数ヶ月で大幅に鈍化していますが、専門家はこの状況を一時的な反応であり、長期的なトレンドの変化ではないと分析しています。マイク・マハリー氏が紹介するメタルズ・フォーカス社の見解によれば、近年の金価格上昇を牽引してきたのは中央銀行による旺盛な需要でした。昨年の購入量は863.3トンに減少したものの、2010年から2021年までの年間平均である473トンを大きく上回っています。実際、2025年は中央銀行の金準備金が史上4番目の規模で拡大した年となりました。過去最高を記録したのは2022年の1136トンで、これは1950年以降、また1971年の金・ドル交換停止以降でも最大の純購入量となっています。今年の1月には金価格が5000ドルを大幅に超えて急騰しましたが、その後はイランをめぐる紛争による不確実性や、インフレ再燃への懸念から価格への下落圧力が強まりました。
こうした中、トルコがリラ相場を支えるためにここ一ヶ月で大量の金を売却しています。ブルームバーグのデータによると、3月の数週間で合計約58トンの減少が確認され、メタルズ・フォーカスの分析ではその後さらに売却が進み、総計131トンに達しました。紛争に伴うエネルギー価格の上昇は、リラ安を緩やかに抑えたいトルコ中央銀行にとって負担となっています。エネルギー価格の上昇はドル需要を高め、リラへの下落圧力を強めるため、金を担保にドルで市場介入を行う必要があるのです。トルコの保有量減少の半分以上はゴールド・スワップによるもので、これは金を担保に安価なドル資金を調達する手法です。また、ロシアもウクライナ侵攻に伴う制裁下で経済を支えるため、予算不足を補う目的で金を売却しています。ガーナもポートフォリオの再構築として保有量を約50%減らしましたが、これは産金国によく見られる動きであり、今後も売買の両面で活発な動きが予想されます。
一方で、ポーランドのように防衛費捻出のために金売却の可能性が示唆されながらも、実際には2月に20トンを買い増して保有量を570トンまで拡大させた国もあります。今後の展望として、イラン情勢の不透明感からエネルギー価格の高止まりが予想されるため、流動性確保や経済支援を目的とした中央銀行による金の売却やスワップが続く可能性は否定できません。しかし、メタルズ・フォーカス社はこれらをあくまで短期的な動きであると強調しています。中央銀行がポートフォリオを多様化するために金を保有するという論理は、特に保有比率の低い国々において依然として有効です。
むしろ、イラン紛争や米国の他国への介入などは、ドルの「武器化」に対する懸念や米国の財政悪化の問題を浮き彫りにし、特定の通貨に依存しない資産としての金の魅力をさらに高めることになると指摘されています。主要国の財政見通しの悪化や中央銀行の独立性への懸念も重なり、地政学的な不確実性が続く中では、分散投資先としての金の重要性は今後も変わらないというのが、この記事の主な見解です。中央銀行による一時的な売却の動きがあったとしても、ドルの保有を抑え、資産を多様化させようとする長期的な姿勢には揺るぎがないと考えられます。
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