注目の投稿

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2026-04-08

欧米敗北の本質

Claiming Victory, Whilst admitting Defeat: There is No Easy Way to Open Hormuz - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【海外記事より】イランによるホルムズ海峡の封鎖が続く中、ブルームバーグなどは、この状況をイランによる重大な戦略的勝利であると報じています。西側諸国が直面している敗北の本質は、戦場での衝突以上に「知的敗北」にあるという指摘がなされています。つまり、イランが20年以上かけて構築してきた非対称戦の戦略を、西側諸国が正しく理解し、対応できていないということです。アメリカなどのメディアは米軍の増強といった目に見える動きに注目しがちですが、実態はミサイルやドローン、高度な防御網を軸とした新しい戦争概念が展開されており、従来の軍事思想では太刀打ちできない局面を迎えています。

イランの軍事モデルは、2003年のイラク戦争での米軍による破壊を教訓に設計されました。強力な空軍力を持たないイランは、軍事インフラの大部分を地中深くに埋設し、指揮系統を各州に分散させた自律的な防衛網を構築しました。これにより、たとえ中央の指揮官が攻撃されても、自動的に報復が継続される仕組みが完成しています。トランプ大統領は圧倒的な軍事力を誇示することでイランを屈服させようとしてきましたが、3000年の歴史を持つイランの文化や戦略観は、不動産取引のような交渉術とは根本的に異なります。イラン側は交渉による妥協ではなく、長年の制裁や包囲網という「檻」から脱却するための戦略的な反撃を行っているのです。

現在、アメリカにはいくつかの選択肢があるとされています。イランのエネルギー拠点への攻撃、あるいはウラン貯蔵施設を奪取するための地上作戦、もしくは交渉による合意です。しかし、空爆だけでイランという国家を崩壊させることは不可能であるというのが軍事専門家の共通認識です。また、ホルムズ海峡を軍事力で強制的に再開させることも容易ではありません。狭い水路と強固な沿岸防御を前に、米軍が甚大な損害を被るリスクは極めて高いからです。たとえ一時的に一部の島を占拠したとしても、イランは本土からミサイルやドローンを用いて通航を妨害し続けることが可能であり、問題の根本的な解決には至りません。

結局のところ、ホルムズ海峡を平和的に開通させるには、イランの主権を明示的に認めるなどの大幅な譲歩が必要になります。また、レバノンやイラク、パレスチナなど各地で続く紛争すべての停戦も条件となるでしょう。アメリカ当局内では、特殊部隊によるウラン奪取といった複雑な作戦も議論されていますが、現実的には情報の不確実性や実行の困難さが際立っています。イランのミサイル施設も全国に分散されており、完全に破壊する手段はありません。記事は、イランがホルムズ海峡の支配力を強めている現状を認め、この非対称な戦いにおいて、西側諸国が有効な打開策を見出せないまま苦慮している実態を浮き彫りにしています。

0 件のコメント: