Oil shock turbocharges Asia FX intervention risk | Reuters [LINK]
【海外記事より】イランでの紛争勃発以来、インドやフィリピンを含むアジアの数カ国は、自国通貨を支えるために外国為替市場での介入を実施しています。中東から原油の60%を輸入しているアジアは、この紛争が引き起こしたエネルギーショックの影響を最も強く受ける地域です。2026年2月末の衝突開始以来、北海ブレント原油の価格は55%も急騰しました。その結果、アジア諸国の多くは、エネルギーコストの上昇、輸入インフレ、需要の減退、そして通貨安という悪循環に直面しており、放置すれば急速に事態が悪化しかねない状況にあります。
3月の新興国通貨指数は3%下落し、2022年9月以来で最悪の月となりました。経常赤字を抱えるインドのルピー、インドネシアのルピア、フィリピンのペソなどは対ドルで過去最安値を更新しています。また、対外収支が堅調な日本や韓国も厳しい状況にあります。韓国ウォンは17年ぶりの安値をつけ、日本円は1ドル160円という歴史的な水準にあります。円安は紛争前から進んでいましたが、戦争がそのリスクを増幅させ、日本の財務省はさらなる通貨安を阻止するために口先介入を強めています。専門家は、エネルギー供給ショックがコストプッシュ型のインフレを招く一方で、ドルの需要が高まるため、通貨当局は介入の判断が難しい「トリレンマ」に直面していると指摘しています。
アジアはドル建ての原油価格上昇による二重の打撃を受けています。原油の指標価格が前年比で70%上昇していることに加え、物理的な供給不足により、アジアの買い手は実際の荷物に1バレルあたり最大40ドルという記録的な上乗せ料金を支払わなければなりません。ある試算によると、原油価格が120ドル程度で高止まりし、ホルムズ海峡の封鎖が続いた場合、アジア全体のエネルギー負担は域内総生産の6.5%にまで跳ね上がると予測されています。これは歴史的に景気後退が始まる水準です。中国などは比較的影響を抑えられる可能性がありますが、タイ、韓国、台湾、インド、そして日本はより大きなリスクにさらされることになります。
各国政府は燃料の輸出禁止や国家備蓄の放出などの対策を講じていますが、エネルギー供給の逼迫が続けば、当局はインフレを抑えるために外貨準備を取り崩し、米国債などの資産を売却して自国通貨を買い支えざるを得なくなります。実際に、ニューヨーク連邦準備銀行に預けられている外国当局の米国債残高が減少しており、その多くはアジアの中東銀による売却と推測されています。もし紛争が解決に向かわなければ、アジア全域で為替介入が広がり、それが米国債のさらなる売りを誘発して、アジア通貨にとってここ数十年で最も不安定な時期が訪れる恐れがあると記事は警鐘を鳴らしています。
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