French Central Bank Sells New York Gold; Replaces It With Gold Stored in Paris [LINK]
【海外記事より】フランスの中央銀行、フランス銀行が、アメリカのニューヨークで保管していた金(ゴールド)の残分をすべて売却し、欧州で新たに購入した高品質な金塊へと入れ替えたことが明らかになりました。この動きにより、フランスの金準備の質が大幅に向上しただけでなく、結果的に約110億ユーロ(約130億ドル)にものぼる多額の売却益を手にすることとなりました。フランスは世界第4位の金保有国であり、今回の入れ替え対象となった129トンの金は、同国の総保有量2,437トンの約5%に相当します。フランス銀行のビルロワドガロー総裁は、今回の措置について「準備資産の品質向上」という技術的な理由を強調しています。
具体的には、ニューヨークに保管されていた金塊は、純度やサイズが国際的な標準を満たさない「非標準」なものが含まれていました。ロンドン貴金属市場協会(LBMA)の基準では、国際決済に使用できる金塊は特定の重量と99.5%以上の純度が求められます。フランス銀行は、米国内でこれらの古い金塊を輸送・精錬する手間を省くため、現地で売却し、その資金で国際基準を満たす新しい金塊を欧州で購入する道を選びました。これにより、フランスが保有する金は、2028年までにすべて国際基準に適合した形で自国内に保管される見通しです。
当局は否定していますが、この動きの背景には政治的な意図も透けて見えます。かつて1960年代、当時のド・ゴール大統領はドルの価値下落を懸念し、米国から3,000トンの金を秘密裏に引き揚げました。これがきっかけとなり、最終的にニクソン・ショックによるドルと金の交換停止を招いた歴史があります。現代においても、米国が通貨を外交の武器として利用し、他国の資産を凍結するなどの措置を講じていることから、多くの国々が「自国の資産を米国の管理下に置くリスク」を再評価し始めています。実際、ワールド・ゴールド・カウンシルの調査では、中央銀行の約68%が金を自国内で保管することを計画しており、この比率は数年前から急上昇しています。
フランスだけでなく、ドイツでもニューヨークに預けている金を全量引き揚げるべきだという議論が活発化しています。冷戦時代、ソ連の脅威から守るために米国へ預けられたドイツの金ですが、現在の不安定な米国の政治状況や経済運営を鑑み、もはや「預け先として安全ではない」という声が経済学者の間からも上がっています。インド、オランダ、ポーランドといった国々も近年、金の自国への送還を進めています。今回のフランスの決定は、形式上は資産の品質向上を目的とした事務的な手続きとされていますが、本質的にはドルの支配力や他国への依存を減らし、自国の財政的な独立性を高めるための戦略的な一歩であると言えるでしょう。
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