As France pulls gold from the US, how can China develop into the next global gold hub? | South China Morning Post [LINK]
【海外記事より】フランス中央銀行がアメリカに預けていた金準備を本国へ引き揚げたことを受け、経済アナリストの間では、中国がこの「戦略的転換期」を捉えて次なる世界の金取引の拠点へと発展すべきだという声が上がっています。フランスは2025年7月から2026年1月の間に、ニューヨークで保管されていた、標準に満たない地金を売却し、同等量を欧州で購入してパリへ移送しました。こうした動きは異例のシグナルと受け止められており、ドイツの経済学者らからも、トランプ政権下の不確実性や、アメリカが自国の金融力を武器として利用することへの懸念から、アメリカ国内の連邦準備銀行に預けている金を回収すべきだという主張が出ています。
こうした欧米でのドルの信頼性低下と脱ドル化の流れを背景に、中国、特に香港が果たす役割に注目が集まっています。ANZ銀行の中国担当チーフエコノミスト、レイモンド・ヤン氏は、ブロックチェーンやステーブルコインといった金融テクノロジーを活用し、香港を現代的な金取引センターとして構築すべきだと指摘しています。中国の強みは、GDP成長や金融政策における「政策の安定性」にあり、世界的なボラティリティが高まる中でその安定性が大きな魅力になると分析されています。香港政府も、年内に金の集中決済システムの試験運用を開始する予定であり、今後3年以内に2000トンを超える保管能力を確保することで、世界から信頼される「グローバル・ボルト(保管庫)」としての地位を確立することを目指しています。
スタンダードチャータード銀行の丁爽氏は、上海での金取引の強化や香港での保管施設の拡大は、投資家に対して中国に関連する資産に資金を置くよう促す戦略の一環であると述べています。一方で、欧州諸国がすぐに金を香港へ移送するかについては慎重な見方もありますが、すでにカンボジアが自国の金準備の一部を中国で保管することを計画していると報じられており、他の数カ国も同様の関心を示している模様です。このように、一部の国々ではすでに自国の資産をアメリカから中国へ移す動きが具体化し始めています。
中国人民銀行自体も、2026年3月まで17カ月連続で金を買い増しており、その保有量は過去最高の7438万オンスに達しました。世界的に金への投資需要が高まる中、アメリカの政策の予測不能さがリスクと見なされる一方で、インフラ整備と技術導入を急ぐ中国が、これまでのロンドンやニューヨークに代わる新たな金のハブとしての存在感を高めています。アメリカがドルの裏付けとなる金の管理において信頼を揺るがせている間に、中国は着実にその受け皿となる準備を整えており、国際的な金融秩序における金の流れが大きく変わろうとしていることが示唆されています。
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