Chinese Sulfuric Acid Export Ban Could Exacerbate Physical Silver Shortage [LINK]
【海外記事より】中国当局が来月から硫酸の輸出を停止する方針を示したことで、すでに逼迫している銀の供給不足がさらに悪化する可能性が出てきました。この輸出禁止措置は2026年末まで続く見通しです。一見すると銀とは無関係に思える硫酸ですが、実は銅の採掘において不可欠な材料です。銅鉱石から成分を溶かし出すために大量の硫酸が使用されるため、その不足や価格高騰は銅の生産量に直結します。ここで重要なのは、世界で採掘される銀の約70%が、銅などの生産過程で生まれる副産物であるという点です。つまり、銅の採掘が減少することは、そのまま銀の生産減少を意味するのです。
この問題の背景には、イランでの紛争による物流の混乱があります。中東は世界の硫黄供給の約3分の1を占めていますが、ホルムズ海峡の封鎖などにより出荷が制限され、世界的に硫酸の原材料が不足し、価格が急騰しています。この影響はチリやコンゴ民主共和国、ザンビアといった主要な銅産出国を直撃しており、特に世界最大の銅生産国であるチリでは、先月だけで硫酸価格が44%も上昇しました。チリは中国から年間約100万トンの硫酸を輸入しているため、中国の輸出停止による損失を補うことは極めて困難であると予測されています。たとえ紛争解決に向けた進展があったとしても、供給網へのダメージは深く、中国による輸出規制は長期化する可能性が高いと分析されています。
現在、銀の市場は深刻な供給不足に直面しています。現物投資の需要が20%増加していることなどを背景に、2026年には6年連続で需要が供給を上回る見通しです。シルバー・インスティテュートの暫定データによれば、昨年の不足分を含めた過去5年間の累積不足量は8億オンスを超えており、これは世界の一年間の鉱山生産量に匹敵します。供給が不足すれば地上在庫を取り崩すしかありませんが、ロンドン市場の保管在庫はこの5年で約40%減少し、アメリカのCOMEX在庫にいたっては約70%も減少しています。上海の在庫も過去10年で最低水準にあり、こうした現物の不足が、最近の銀価格を1オンスあたり100ドル超へと押し上げた一因となっています。今回の中国の動きがどこまで銀の生産に波及するかは不透明ですが、継続的な不足状態にさらなる圧力を加える要因として、今後の動向が注目されます。
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