【海外動画より】社会の秩序や法、そして国家のあり方を根本から問い直す理論として、私有財産権を重視する思想が注目されています。ドイツ出身の経済学者・哲学者であり、ネバダ大学ラスベガス校の元教授、そして「財産と自由協会」の創設者でもあるハンス=ヘルマン・ホッペ氏は、民主主義がもたらす社会の変質や私有財産の侵害について、独自の視点から深い洞察を展開しています。
ホッペ氏は、人間のあらゆる行動には身体や土地、外部の物件といった物理的な手段が必要であり、複数の人間が同じ手段を異なる目的で使おうとするときに必ず紛争が生じると指摘します。この紛争を回避する唯一の論理的な解決策は、すべての財が常に特定の個人や組織によって私的に所有され、誰が何を所有しているかが明確であることです。正当な私有財産は、まだ誰のものでもない資源を最初に自分の管理下に置く「原初的占有」のアクション、またはそれ以降の自発的で平和的な交換によってのみ成立します。ホッペ氏はこの原則を、人間が平和的に共生するために発見された「自然法」であると位置づけています。
しかし、現代社会はこの自然な秩序から大きく逸脱しています。ホッペ氏は、その根本的な原因を「裁判や司法という紛争解決の機能を、一つの機関が独占してしまったこと」にあると分析します。これこそが国家の本質であり、国家は自分自身が当事者である紛争においても最終的な裁判官として振る舞います。独占された司法は質の低下を招き、発見されるべき自然法は国家が都合よく作り出す「立法」へと置き換わっていきます。その結果、人々の私有財産は国家の法や規制によって条件付きで認められるだけの不安定なものとなり、社会の「脱文明化」のプロセスが始まるとされています。
さらにホッペ氏は、国家が「民主制」へと移行することによって、この脱文明化の速度が決定的に加速されると警告します。民主主義のもとでは、誰もが投票や選挙を通じて他者の財産を合法的に奪うための「立法」や「課税」を提案できるようになります。これにより、かつて宗教や道徳によって戒められていた他者の財産への羨望や略奪の衝動が解放され、社会全体が生産的な活動よりも、政治を通じて他者の富を搾取する利害関係の調整に時間を費やすようになります。その結果、言葉を巧みに操る政治家や、国家の財政に依存する官僚、学識者、受給者などの「国家依存層」が拡大し、社会の道徳的な衰退と腐敗が進行していくという見解が、歴史的なデータとともに語られています。
PFP144 | Hans-Hermann Hoppe - Democracy, De Civilization, and Counterculture (PFS 2015) - YouTube
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