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2026-06-12

ミレイノミクスの真実

【海外動画より】南米アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、自らをリバタリアンやアナルコ・キャピタリストと称し、オーストリア学派経済学の専門家であると公言して世界的な注目を集めてきました。しかし、コペンハーゲン大学などの研究機関で経済学の教鞭をとる経済学者、クリストファー・モーステン・ハンセン氏は、ミレイ氏の思想や実際の政策を詳細に検証すると、その主張とは裏腹に、本質的には主流派の新古典派経済学や新自由主義の枠内にとどまっていると指摘しています。ハンセン氏は、ミレイ氏が掲げる経済成長論や通貨改革をオーストリア学派の正統な伝統と比較しながら、その決定的な乖離を論じています。

まず経済成長の原動力について、ミレイ氏は独自の解釈から、市場における独占が収穫逓増を生み出し、それが発展につながるという特異な見解を展開しています。これに対してハンセン氏は、ミーゼスやロスバードといったオーストリア学派の巨頭たちが何よりも重視したのは資本蓄積であると反論します。豊かな国と貧しい国の違いは過去の貯蓄によって積み上げられた資本財の量にありますが、ミレイ氏の議論ではこの資本蓄積という最も重要な要素が主流派の経済学と同じように軽視されているという指摘です。

さらに深刻な矛盾が見られるのが、ミレイ氏の代名詞とも言えるペソの廃止と米ドル化を目指す通貨政策です。ミレイ氏は中央銀行を即座に廃止するとハイパーインフレが起きると主張し、通貨の価値を担保するために中央銀行の資産が必要であるというバッキング理論、いわゆる通貨担保説をとっています。しかし、これはオーストリア学派の貨幣論とは完全に相反するものです。オーストリア学派において貨幣はそれ自体の需給や購買力への期待によって価値が決まる経済財であり、中央銀行のバランスシートによって支えられるものではありません。ハンセン氏は、ミレイ氏が唱える中央銀行の必要性は新古典派的なパラダイムの罠に囚われたものであると結論づけています。

実際の政策運営に目を向けても、ミレイ氏のアプローチは1990年代にアルゼンチンで行われた政策や、IMFが主導するワシントン・コンセンサス、すなわち新自由主義的な改革の枠を出ていないと分析されています。現在のペソのマネーサプライは2024年から2025年にかけても急膨張を続けており、月間約5%のペースで増え、物価インフレも月間約2%のペースで続いています。結局のところ、増税や徴税の効率化によって国家の財政基盤を安定させ、国際金融市場での信用を高めようとするミレイ氏の手法は、リバタリアンが理想とする小さな政府とは逆行している側面があります。ハンセン氏は、ミレイ氏がどれほどドラマチックな転向の物語を語ろうとも、その本質的な経済理論や具体的な通貨政策においては、オーストリア学派の伝統から何光年も離れた場所にいると報告しています。

PFP306 | Kristoffer Mousten Hansen: Mileinomics (PFS 2025) - YouTube

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