【海外動画より】アメリカの南北戦争といえば、日本では一般的に「奴隷制の廃止を掲げる正義の北部」と「奴隷制の維持を訴える南部」による人道的な戦いだったと理解されがちです。しかし、米ミーゼス研究所のウォルター・E・ウィリアムズ研究フェローであるワンゲル・ンジョヤ博士は、リバタリアン向けの番組の中で、この歴史認識には大きな見落としがあると指摘しています。ンジョヤ博士によれば、奴隷制は古代ローマから続く普遍的な制度であり、当時はアメリカの北部にも存在していました。それにもかかわらず、戦後の教科書や近年の政治運動では、南部だけを絶対的な悪として描き、北部を正当化するナラティブが強調されてきたといいます。
実際の南北戦争の引き金となったのは、奴隷制そのものの是非ではなく、南部の連邦からの分離独立と、それを拒絶した中央政府による軍事侵攻でした。当時のエイブラハム・リンカーン大統領の最優先課題は、奴隷を解放することではなく、あくまで連邦の維持でした。博士は、当時の南部の指導者たちが中央政府の保護関税政策による経済的脅威や、州の主権をめぐる憲法上の対立から独立を選んだ事実を挙げています。また、命をかけて戦った一般の南部兵士たちの多くは奴隷を所有しておらず、自らの故郷が北軍に侵略されたからこそ武器をとったのだと解説しています。
さらに博士は、現代のメディアや一部の歴史プロジェクトが南北戦争を過剰にクローズアップする背景には、現在の資本主義体制を攻撃しようとするマルクス主義的な意図があると分析しています。「アメリカは奴隷制という搾取の上に富を築いた」という言説を広めることで、現代の格差問題や労働問題をすべて過去の奴隷制に結びつけ、社会主義的な変革を正当化するツールにされているという見方です。それに対し、自由市場こそがむしろ人種を問わず自発的な取引を促し、歴史的に黒人層の経済的自立を助けてきた共通の土壌であったというデータも示されています。
このように動画では、南北戦争の美化された歴史観を問い直し、国家権力の肥大化や経済政策をめぐる対立という、より現実的な側面から歴史を捉え直す視点が提示されています。
What They Never Told You About the Civil War – Tariffs, States' Rights & Lincoln's Real Agenda - YouTube
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