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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ
インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...
2021-01-20
連邦主義と平和
2021-01-19
プーランク:平和への祈り
狂った規制
2021-01-18
ヘンデル:組曲「王宮の花火の音楽」
反逆と扇動
2021-01-17
ヴォーン・ウィリアムズ:われらに平和を与えたまえ
琉球王国の大交易時代〜壮大な貿易ルートの要、海洋アジアを結ぶ
また、琉球はシャムとの貿易取引で、いずれかの国の政府が権力を振り回すことを排除し、「四海一家」「両平(両者平等に利益があること)」をスローガンに、「市場価格での取引でこそ双方が潤う」と主張。シャムにこれを受け入れさせた(村井章介『古琉球』)。
琉球人は貿易ルートに乗り、アジア各地に訪れた。室町時代の水墨画家、雪舟が中国に留学中、スケッチしたといわれる「国々人物図巻」には、高麗人や天竺人などさまざまな民族とともに、琉球人が描かれている。ゆったりとした服にはだし、頭の左側に結ったまげに特徴がある。雪舟は中国に朝貢してきた琉球人と出会い、彼らの姿をスケッチしたのかもしれない。
- 高良倉吉『琉球王国』岩波新書
- 上里隆史『島人もびっくりオモシロ琉球・沖縄史』角川ソフィア文庫
- 村井章介『古琉球 海洋アジアの輝ける王国』角川選書
- 北村厚『教養のグローバル・ヒストリー』ミネルヴァ書房
- 宮崎正勝『「海国」日本の歴史: 世界の海から見る日本』原書房
2021-01-16
グレーバー『ブルシット・ジョブ』
ブルシット・ジョブの犯人
もしブルシット・ジョブの存在が資本主義の論理に逆らっているようにみえるとすれば、ブルシット・ジョブの増殖に対するただひとつのありうる説明は、いまのこのシステムが資本主義ではないからということになる。あるいは少なくとも、アダム・スミスやカール・マルクス、さらにいえばルートヴィヒ・フォン・ミーゼスやミルトン・フリードマンの著作から認めることのできるような資本主義ではないということになる。(同。強調は引用者)
そこでは経済の命法と政治の命法とが大幅に融合をはじめているがゆえに〔略〕資本主義とはまったく異なっているということになる。たしかに、多くの点で、それは古典的な中世封建制に類似している。貴族や封臣、従者たちからなるヒエラルキーをはてしなくつくりだす傾向も同じである。(同)
2021-01-15
政府は暴力である
2021-01-14
言論規制の二重基準
2021-01-13
狭まる言論の自由
ソーシャルメディアのアカウント停止は、民主党による共和党への攻撃ではない。両党の主流エリートが許容する範囲を外れた、あらゆる意見に対する攻撃だ。バイデン次期政権のネオコン色の濃い軍事介入政策に対し、左翼や反戦団体から予想される批判もまた封じ込める狙いだ。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : The ‘War On Terror’ Comes Home
ウィキリークスのアサンジ氏が流出メール公表でリベラルの支持を失う以前から、オバマ政権の副大統領だったバイデン氏はアサンジ氏を「ハイテク・テロリスト」と呼んだ。オバマ政権こそ無人機で、イスラム過激派幹部の米国民アウラキ師と16歳の息子を裁判もせず殺害した。
Wednesday's Other Story - TK News by Matt Taibbi
英ロンドンのバライツァー裁判官は、ウィキリークス創始者アサンジ氏の米国移送こそ認めなかったものの、米国が同氏や他のあらゆるジャーナリストを起訴する権限を認めた。米国が国家の犯罪を暴露した外国人ジャーナリストを捕らえ、スパイとして起訴する前例を作ったのだ。
The US and UK Are Making Assange's Death More Likely - Antiwar.com Original
2021-01-11
奴隷制と資本主義
2021-01-10
ファシズムの復活
ナチスドイツでは生産手段の多くは国有化されなかったものの、価格、賃金、生産に対する規制によって政治と一体化していた。私企業のオーナーは名目だけで、その経営判断や行動は制限されていた。ドイツの企業家は誰でも自分の行動がナチスの目標の範囲内にあると知っていた。
Why Hayek was Right About Nazis Being Socialists – AIER
ステークホルダー資本主義の下では、企業経営者は彼を雇った株主の利益のために働くのではなく、ステークホルダーの規範や基準を強いる当局の命令に従う管理者になる。20世紀には、このように民間の経営者が政府の命令・指示に従う体制は「経済ファシズム」として知られた。
Stakeholder Fascism Means More Loss of Liberty – AIER
社会保障制度を創設したドイツの宰相ビスマルクは、こう語った。私の考えは労働者階級の買収だ。つまり労働者を味方につけ、政府は彼らのために存在し、彼らの幸福に関心を持つ社会組織だと思わせるのだ。人の苦しみや不幸で儲けるのは道徳的でない。民間に任せてはいけない。
American Progressives are Bismarck’s Grandchildren – The Future of Freedom Foundation
多数派は、権力を握る少数派と同じく、暴虐でありうる。人数の多さで正しいかどうかは決まらない。もしもある社会で、男性がある女性と性交渉を持つことが投票で決められたとしても、彼女にその「民主的」決定を強要することはできない。彼女の身体は彼女自身のものだからだ。
Opponents of Liberty Remain Misguided Sore Winners – AIER
>>翻訳@時事
2021-01-08
米議会乱入の波紋
わずか数カ月で様変わりだ。昨夏には黒人を虐げる警察は解散しろと主張していた人々が、今回の議会乱入に対する警察の対応は手ぬるいと言って怒り狂っている。極左団体アンティファの支持者は、議会デモ参加者の氏名を特定し、FBIにテロリストとして逮捕させようとしている。
Violence in the Capitol, Dangers in the Aftermath - Glenn Greenwald
トランプ氏支持者による米議会乱入事件をきっかけに、SNS規制論が広がってきた。NYタイムズのフレンケル記者は、オンラインでの政治運動がもたらした暴力だと批判した。しかし同記者は2018年の記事で、イラン政府がデモの参加者によるSNSの使用を制限したことを非難していた。
クーデターとは、軍隊など政府組織内のエリートが現職の政府高官を公然と追放しようとする違法な試みである。だから政府への抗議活動はクーデターではない。トランプ氏支持の帽子をかぶり、旗を振る無名の人々は政府エリートではないから、その意味でもクーデターではない。
The Capitol Riot Wasn’t a Coup. It Wasn't Even Close. | Mises Wire
トランプ時代は終わったか、劇的に異なる形に変化するかのどちらかだろう。トランプ氏は自分の政党をつくるか、政治的に忘れ去られるかのどちらかだろう。彼の支持者にとって彼は第一級の英雄であり続けるだろう。トランプ氏に触発された支持者層がすぐに屈するとは思えない。
>>翻訳@時事
2021-01-06
米国式の社会主義
2021-01-04
公益は私益、私益は公益
2021-01-03
スペイン帝国とマネーの魔術
国家は財政悪化に直面すると、しばしばマネーの「魔術」に頼る。現代であれば、政府の傘下にある中央銀行にマネーを大量に発行させる。このマネーで政府の借金を肩代わりしてやれば、政府は返済を心配せず、好きなだけ浪費できる。もしこれが永遠にうまくいけば、まるでおとぎ話に出てくる打出の小槌を手に入れたようなものだ。
けれども、そうは問屋が卸さない。たしかにマネーを増やせば、政府は一時、借金返済の圧力から逃れることができる。だが、それは長くは続かない。なぜなら、生産活動の裏付けがないままマネーの量を増やせば物価上昇を招き、マネーの価値は下がってしまうからだ。結局、財政の破綻から逃れられない。
スペイン帝国がたどった道は、まさにそれだった。ただし、スペイン帝国が手にしたと思った打出の小槌は、中央銀行ではなく、アメリカ大陸の銀山だった。
スペインは「大航海時代」を経て、新大陸と呼ばれたアメリカ大陸を中心に、「太陽の沈まぬ国」と呼ばれる広大な植民地帝国を築いた。1516年に即位したハプスグルク家のカルロス1世は、神聖ローマ皇帝にも選出された(神聖ローマ皇帝カール5世)。カルロス1世は、ネーデルランド(オランダ)やオーストリアなどの広大な領土を支配したが、欧州の支配権を巡ってフランスと戦争を続けたため、財政が悪化した。
カルロス1世の退位後、ハプスグルク家はスペインとオーストリアの両家に分かれた。スペイン王を継いで1556年に即位したフェリペ2世は、イスラム勢力に立ち向かい、1571年にはオスマン帝国の海軍をレパントの海戦で破って威信を高めた。また、宗教改革を起こしたプロテスタントに対抗するカトリックの盟主として、諸国の内政に盛んに干渉した。
これらの軍事費を支えたのが、新大陸で発見された銀である。
1545年、スペイン統治下にあった現在のボリビア領で世界最大級のポトシ銀山が発見された。スペイン人はポトシ銀山で現地人(インディオ)を強制労働させて銀を採掘した。
ポトシ銀山はアンデス山中の標高約4000メートルという高地にあり、そこにいるだけで高山病になってしまう。それに加え、採掘は劣悪な環境での過酷な労働だ。精錬に水銀が用いられるようになってからは、有毒な水銀の蒸気によって多大な犠牲者が出た。数百万人が死亡したと言われる。
ポトシ銀山など新大陸から産出する銀の量は、16世紀後半には世界で産出される銀の80〜90%近くを占めた。16世紀から17世紀半ばまでの160年間では、欧州の銀保有量の3倍に匹敵する銀がスペインに運ばれたと推定される。そして、スペインに搬入された銀の5分の1は、スペイン王の取り分となった。
フェリペ2世はこの膨大な富を利用して戦争を繰り返し、版図を広げた。そしていよいよ、反カトリックのエリザベス1世率いる英国を征服するため、無敵艦隊の建造に着手する。大型軍艦127隻と数百隻の輸送船からなる史上空前の大艦隊である。その建造のための木材伐採で、スペインの山が禿げてしまったという。
ところが無敵艦隊は1588年、英仏海峡で英海軍に対し屈辱的な敗北を喫する。スペイン艦隊は敗走の途中、英国北方で嵐に遭遇し、65隻もの船が遭難した。帰還できたのはわずか54隻という、惨憺たる結果だった。
これらの戦費は、前述のように新大陸からの銀で賄っていたのだが、実際にはそれでも不足し、フランドルやドイツ、ポルトガルの資産家や、スペインの商人、イタリアの銀行家など欧州中の投資家から多額の借り入れをしていた。
当時のスペインは、歳入の半分を借金で賄っていた。議会の承認が必要な税収に頼る必要がないため、国王にとってはとくに魅力的だった。
これは将来への教訓になった。米経済学者のグレン・ハバードとティム・ケインは「行政機関の長が国家として資金を借り入れる無制限の権限をもっていると、財政は現実には必ず混乱する」と指摘する(『なぜ大国は衰退するのか』)。
スペインは1550年代に最初の債務危機に陥る。当時王子だったフェリペ2世は父王に宛てた手紙で、財政赤字は米大陸の銀ではカバーできないと述べている。即位と同時に膨大な借金を受け継ぎ、翌1557年に最初の破産宣言をした。これを含め、在位中に3回の破産宣言を行なった。その後の国王の治世においても3回の破産を宣言した。
これほど頻繁に破産しておきながら、貸し手がいなくならなかったのは、スペインが大銀山を持っていたからだ。スペインの膨大な借金は、銀行業を営む欧州各地の名家が、銀は今後さらに増えるという約束と引き換えに貸し付けたものだった。
けれどもその銀の価値は、新大陸から欧州に持ち込まれる銀の量が増えるに従い、急速に落ちていった。つまり、急速な物価上昇(インフレ)をもたらした。
1500〜1550年にかけてほぼすべての商品の価格が2倍になり、1585年までにさらに50%上昇した。1585年に銀貨1枚で買える食料や衣服の数量は、1500年当時に比べて大幅に少なくなったのである。欧州ではそれまで300年にわたって物価が安定していたため、これは実に大きな変化だった。
フェリペ2世は、この物価高に困惑した。古代ローマ帝国と違い、貨幣を改鋳して品位を落としたわけではない。大量の銀を発見し、それを銀貨にしたのだから、本来は豊かになってよいはずだ。それなのに、なぜインフレが起きてしまうのか。なぜ国家破産に追い込まれてしまうのか。彼には理解できなかったに違いない。周囲にマネーの仕組みを理解した有能な助言者がいなかったからだ。
経済学者の野口悠紀雄氏は、こう説明する。マネーの増加は、貨幣改鋳によっても銀の増加によっても起きる。改鋳という邪悪な意図を持っているかどうかは関係ない。そして、経済全体の生産量が増えなければ、物価が上昇してしまう。「マネーが増加し生産量が増加しなければ、価格が上昇する」という事実は、貨幣数量説として定式化されている。
スペインは、発見した銀のおかげで借金が容易になり、王室の購買力は増えた。しかしフェリペは増大した購買力を、膨大な軍事費という非生産的な用途に充てた。その結果、スペインの山は禿げてしまい、産業が発展することはなかった。だからスペインは豊かになれなかった。
野口氏は「もしスペインが銀山を発見していなければ、無敵艦隊の建造などという無謀な試みには乗り出さなかっただろう。スペインは、無知によって衰退したのだ」と述べる(『マネーの魔術史』)。
マネーの魔術は、国家を衰退に追いやる恐ろしさを秘めている。
<参考文献>
- グレン・ハバード、ティム・ケイン、久保恵美子訳『なぜ大国は衰退するのか 古代ローマから現代まで』日経ビジネス人文庫
- 野口悠紀雄『マネーの魔術史 :支配者はなぜ「金融緩和」に魅せられるのか』新潮選書
(某月刊誌への匿名寄稿に加筆・修正)
2021-01-01
金本位制という選択
2020-12-31
仮想通貨の運命
2020-12-30
池田清彦『環境問題の噓 令和版』
科学は多数決で決まらない
政治的な決定は多数決によって決まる。科学的事実は多数決によっては決まらないから、ここには必然的に齟齬が生じることになる。
2020-12-29
官僚離れの解決法
2020-12-28
グリーン戦略と灰色の未来
2020-12-27
日本中世、政府が通貨を発行しなくても困らなかった理由〜民間で製造、中国から輸入も
鎌倉大仏の原材料は宋銭?
民間が貨幣を自律的に作り出す
政府の通貨発行、再考のとき
2020-12-25
毎日がクリスマス
2020-12-24
持続不可能な財政
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AI批判のあさはかさ
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高杉尚孝『論理的思考と交渉のスキル』
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2020-12-19
ケルトン『財政赤字の神話』
経済を悪化させるMMT
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民間オンライン教育の成長
2020-12-16
暴政を支持する人々
2020-12-14
失業増を招くもの
2020-12-13
貿易禁止が生んだ密貿易集団「倭寇」〜アジアにネットワーク、鉄砲伝来にも一役
多種多様な民族構成
取り締まり強化で凶暴化
ポルトガル人を乗せた密貿易船
保護主義への教訓
国法に反する「密貿易商人」というとらえ方は、東アジア交易の成長を歴史の前進とみなす歴史評価とは異なる見方であり、「倭寇」という呼称にも権力に抗する者はすべて「賊」と見なすという体制的な歴史観が投影されている。(『「海国」日本の歴史』)
- 村井章介『分裂から天下統一へ』(シリーズ日本中世史)岩波新書
- 村井章介『なぜ、大航海時代に戦国の世は統一されたのか 富と野望の外交戦略』 (NHKさかのぼり日本史 外交篇)NHK出版
- 川戸貴史『戦国大名の経済学』講談社現代新書
- 田中健夫『倭寇―海の歴史』講談社学術文庫
- 池上裕子『戦国の群像』(日本の歴史)集英社
- 岡田英弘他『紫禁城の栄光―明・清全史』講談社学術文庫
- 宮崎正勝『「海国」日本の歴史: 世界の海から見る日本』原書房
2020-12-11
コロナ対策のお粗末
2020-12-09
中央銀行デジタル通貨の脅威
2020-12-07
黒人社会と政治
2020-12-06
インカ帝国はなぜ滅びたか
インカ帝国はペルー南部のクスコを中心に、15世紀から栄えた国だ。全土に道路網と宿駅制度を設けてコロンビアからチリ中部に及ぶ広大な地域を支配し、各地に巨大な石造の神殿や要塞を建設した。皇帝は太陽の子とみなされ、絶大な宗教的権力を振るった。
インカ帝国はしかし、スペイン人の侵略によりあっという間に滅びてしまう。1532年11月16日、スペインの征服者ピサロはペルー北部の高地カハマルカの戦いで、インカの皇帝アタワルパを捕らえる。アタワルパがピサロに処刑され、帝国が滅亡したのは8カ月後のことだ。
栄華を極めた帝国がなぜ、もろくも崩れ去ってしまったのだろうか。
2020-12-05
不屆きな會員
本協議會〔國語問題協議會〕の設立に盡力された福田恆存氏の『私の國語教室』を初めて讀んだのは、高校生の頃だつたと思ふ。理路整然とした漢字制限批判・現代假名遣批判に感銘を受けた。大學を卒業し、新聞記者になつた頃、福田氏に師事した英文學者・評論家、松原正先生(故人)の熱心な讀者になつた。けれどもこの頃はまだ、自分が正漢字・正かなで文章を書いてみようといふ氣はなかつたし、その機會も手段もなかつた。
その機會と手段を整へてくれたのは、インターネットの普及である。仕事で海外赴任中だつた二〇〇〇(平成十二)年、「地獄の箴言」といふホームページを手作りで開設し、正假名遣ひと技術的に可能な限りの正漢字で、國語問題や文化、思想を題材にエッセイを書き始めた。ちなみに「地獄の箴言」といふタイトルは、松原先生の著作で知つた英國の詩人、ウィリアム・ブレイクの作品から取つてゐる。
その後、松原先生と親しく接する機會をいただき、その御縁で、本協議會に入れていただいた。協議會の初代理事長が勤務先の大先輩、小汀利得氏だつたことにも何か縁を感じた。協議會では會員の皆樣と樂しく交流し、ホームページやブログ開設のお手傳ひもできた。
二〇一〇(平成二十二)年、新たに「自由の騎士が行く」(今は「自由主義通信」に改稱)といふブログをこれも正字・正かなで始めた。以前から共感を抱いてゐたリバタリアニズムの思想を前面に押し出したものだ。
リバタリアニズムは「自由至上主義」などと譯されるが、要するに民間の活動に政府が介入することを極力退けようとする考へである。ここでは詳しく述べないけれども、昨年、慶應義塾大學教授の渡邊靖氏が『リバタリアニズム――アメリカを搖るがす自由至上主義』(中公新書)といふ本を出してゐるので、興味のある方は讀んでほしい。
國語問題も、元をただせば、民間の文字表記に對する政府の要らざる介入から起こつたものだ。
さて、それでは私は今現在、ブログを正字・正かなで書いてゐるかといふと、恥づかしながらさうではなく、途中から新字・新かなに切り替へた。これについて申し開きをしておきたい。
最大の理由は、檢索されにくいことだ。ネット上に公開した文章を多くの人に讀んでもらふためには、グーグルをはじめとする檢索エンジンで探しやすくなつてゐる必要がある。殘念ながら正字・正かなではその可能性が小さくなつてしまふ。加へて、正字・正かなを見ただけで拒絶反應を示す讀者の存在も、考慮せざるをえない。
また、ブログで書いた文章を本にしたい氣持ちが強まり、電子書籍化したことがあるのだが、表記を新字・新かなに變換する際に變換ミスが多發した。このときは自費出版だつたが、運よく商業出版できさうな場合、表記の變更は必至で、變換ミスを修正する手間は馬鹿にならない。その後どこからも出版の話は來てゐないのだが、これもブログで正字・正かな表記をやめるきつかけになつた。
最近、『三浦老人昔話』など岡本綺堂のいくつかの作品が中公文庫から正かなで出版されてゐる。すばらしい試みだと思ふ。けれども綺堂と違つて無名ライターの私の場合、正かなで出版させてくれる殊勝(無謀?)な版元が現れるとは考へにくい。
そんなわけで、今のブログ「自由主義通信」は志に反し、新字・新かなで書き連ねてゐる次第である。せめてもの罪滅ぼしに、自己紹介欄だけは以下の内容を正字・正かなで書いてゐる。
「木村貴(きむら・たかし) 一九六四年熊本縣生まれ。新聞社勤務のかたはら、歐米の自由主義的な經濟學や政治思想を獨學。經濟、政治、歴史、文化などをテーマに個人で著作活動を行ふ。現在、關聯會社勤務」
最近は協議會の催しもさぼつてばかり。まことに不屆きな會員ではありますが、今後ともどうぞよろしくお願ひいたします。
(國語問題協議會會報「國語國字」第二一四號に寄稿。ブログの自己紹介は現在一部變更)
2020-12-04
社会主義の不合理
2020-12-03
危機をもたらしたもの
日本経済新聞の連載記事「コロナと資本主義」は、ベーシックインカム(最低所得保障)制度を取り上げ、世界の動きについてこう書く。「コロナ危機で若者や非正規雇用など経済的な弱者が深刻な痛手を被り、新たなセーフティーネット(安全網)として導入を模索する動きが相次ぐ」(太字は引用者)
この「コロナ危機」も、正確には「コロナ対策がもたらした危機」のはずだ。コロナ対策のやり方は国によって異なるが、欧米などで中央・地方政府によるロックダウン(都市封鎖)の強制が経済に深刻な打撃を与え、そのあおりで経済弱者が解雇や失業の憂き目を見ている。
日本では建前上、強制力のある措置は採られていない。営業時間の短縮やイベント開催の自粛を都道府県知事が事業者に「要請」し、従わない場合は「指示」できるにとどまり、指示に罰則はない。それでも公権力を背景とした指示は、事実上の強制力を持つと言える。
「コロナ危機」以外にも、メディアが「コロナ対策の影響」とはっきり言うべきところを「コロナの影響」としか言わないのは、単に文字数の節約のためだけとは思えない。コロナ対策が経済に打撃を与え、経済弱者を苦しめているとしたら、当然、政府の責任を問い、対策の見直しや中止を求めるのが筋だ。しかしそれは、政府のコロナ対策を基本的に支持するメディアの立場に反し、都合が悪い。
政府自身の政策が危機を引き起こしているのであれば、ベーシックインカムなど新たな政策を持ち出す前に、効果に疑問のあるコロナ対策そのものをまず見直すべきだろう。






























