2020-12-09

中央銀行デジタル通貨の脅威

中国式の社会信用評価システムと中央銀行デジタル通貨(CBDC)が組み合わさるとどうなるか。ウィキリークスのような「悪い」非営利組織に寄付をすると、電車の切符を買えなくなるかもしれない。アダルトグッズを買うと評点が下がり、政府の仕事をもらえなくなるかもしれない。

人々がビットコインなどの暗号通貨を保有するのは、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の代替手段としてではない。マイナス金利を押しつけられたり、不換紙幣の価値が下落したりするリスクを避けるためだ。CBDCの導入はそれらのリスクを和らげるどころか、むしろ高めてしまう。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)が導入されると、経済は金融緩和という麻薬にますます中毒しやすくなる。経済危機のたびに薬を打たれ、中毒は治りにくくなる。ジンバブエやベネズエラほどではなくても、健康ではなくなる。日銀がもたらした日本の失われた30年を見ればわかる。

金や銀を通貨として使うのを妨げている要因の一つは、政府の税だ。しかし変化は起こりつつある。テキサス、アリゾナ、ユタ、ワイオミングなど米国のかなりの州では、貴金属に対する売上税やキャピタルゲイン課税を廃止し、代替通貨としてドルと対等に競争させる条件を整えた。

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