米国の黒人が直面する諸問題への解決策は、黒人社会の中にしかない。政治は解決にならない。フィラデルフィア、デトロイト、ボルチモア、シカゴ、ワシントン、ニューオーリンズなどで黒人は政治的に高い地位にあるが、これらの都市の教育水準、犯罪率、家庭崩壊は全米最悪だ。
黒人住民の多い米メリーランド州ボルチモア市での調査によれば、同市の3804人の高校生のうち、数学に習熟しているのはわずか14人だった。19世紀末から20世紀半ばは、今より黒人は貧しく、差別も激しかったが、サーグッド・マーシャル最高裁判事ら優れた人物を輩出していた。
米天文学協会の会員のうち82%は白人で、黒人は2%しかいない。物理学の学士号を得る黒人は3%だけだ。科学分野に黒人が少ないのは人種差別とは関係がない。原因は学力だ。高校を卒業しても数学の最低限の習熟度にも達していなければ、理系の高報酬のキャリアに進むのは難しい。
人は情報を得るのにかかるコストを節約しようとする。ドアを開けて虎がいたら、急いで逃げる。その虎に関する詳しい情報に基づいてではない。虎は凶暴だと決めてかかっている。人も同じだ。黒人や女性というたやすく得られる情報は、一部の人にとっては意思決定に十分なのだ。
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