2020-04-07

連邦制の叡智

中世欧州の都市国家は、分権化によって自由と繁栄が維持された。市民がある都市で重税や汚職に我慢できなくなれば、他の都市に移動できた。この歴史を参考に、米国は高度に分権化された連邦制を採用した。憲法の原型である連合規約では中央政府に徴税権を認めなかったほどだ。
Secession Fever in Today’s America: What Would Lincoln Think? - LewRockwell

米国はそもそも中央政府への権力集中に反対する連邦制であり、米国のナショナリズムとは国家主義が生んだ神話にすぎない。それはほぼ無制限の中央政府の優位を認め、州の権利や連邦からの分離独立を悪とみなす。これは独立革命の成果を覆し、英国と同じ制度を導入する試みだ。
Deceived in Liberty: The Curse of American Nationalism - LewRockwell

米南北戦争と同時代の欧州言論人は、奴隷制には強く反対したが、南北戦争は奴隷解放とは無関係と考える人もあった。英作家ディケンズは、主因は関税と見抜いた。当時、綿花を輸出する南部は自由貿易を望み、英国製工業製品と競合する北部は関税による保護貿易を主張していた。
How Europeans Viewed the War | Abbeville Institute

米大統領リンカーンは南北戦争で南部を攻撃して85万人もの死者を出し、生前憎まれた独裁者であるにもかかわらず、その死後、高潔なる国家の象徴に祭り上げられた。そのおかげで米政府のやることは、インディアンの虐殺や世界大戦への介入など、何でも立派ということになった。
Trump vs. Lincoln: What’s a Republican To Think? - LewRockwell

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