2021-07-17

NATOはいらない


冷戦が終わり、北大西洋条約機構(NATO)は役割を失った。ロシアの代わりに中国を標的にしろと帝国主義者は言い出した。そもそもNATOなど作るべきではなかった。米国が巨大な安全保障国家になったのは大きな間違いだ。NATOを廃止し、小さな政府の国を取り戻す。それが今米国にできる最善のことだ。(作家、ジェイコブ・ホーンバーガー)

安全保障国家とは全体主義の政府機構である。北朝鮮、キューバ 、中国、エジプト、ロシア、パキスタンなどとともに、アメリカ合衆国もその一つだ。巨大な情報・軍事体制で全能の権力を振るう。中央情報局(CIA)は設立されてすぐ、刑事手続を無視した暗殺の権限を握った。まもなく暗殺手引書を発行しており、早くから暗殺の技法に特化していた様子がうかがえる。(同)

米政府はかつて戦争した共産主義国ベトナムには制裁していないのに、米国を脅かしたこともないキューバにはしている。国防総省と中央情報局(CIA)が欲しいのは、キューバ革命前のような、言うことを聞く親米の独裁者だ。だから制裁をやめず、キューバの人々を死と窮乏にさらし続けている。(同)

米国には言論の自由があるというが、大企業トップらは戦争や監視、暗殺など安全保障国家の闇には口を閉ざす。批判すれば間接的に報復されるからだ。税務調査、規制による嫌がらせ、企業買収の不承認、放送免許の更新停止のほか、監視・盗聴で個人の秘密まで暴露されかねない。(同)

既存の政治の枠内で起こったことを批判されても、政治家や官僚は我慢する。しかし枠組みそのものに挑んだら、おしまいだ。トランプ前大統領は既存の政治秩序に対する脅威だった。だから政治家と官僚は必死でトランプを政界から追い出し、二度と戻らないようにしようとした。(同)

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2021-07-16

健康ファシズムの脅威


ワクチンパスポートが支えるのは、人々に健康上の選択を強制する思想だ。自由主義者なら健康ファシズムと非難するだろう。自由に対する最大の危険は、強力な中央権力が個人の私生活に介入し、専門家の科学的見解に基づき前もって決まった目的のために、政策を実行することだ。

専門家の有害で実用的でなく、犠牲の大きい考えに加え、専門家自身が政府の規制機構に入り込み、大衆に害を及ぼす。それにもかかわらず、技術官僚の専門家らは人々の生活のほとんどあらゆる局面に深く関与する。最近、そのことを新型コロナ感染症ほど強烈に示したものはない。

紙に書いた憲法だけでは、政府による権利侵害を防ぐことはできない。マスコミの支援を受けているからだ。本来はマスコミが政府権力を抑えるはずだから、憲法でも報道の自由が保障されている。政府権力が予想外の規模に拡大する危機の時こそ、政府に反対する報道が重要になる。

米国でコロナワクチン接種に抵抗しているのは主に黒人、女性、保守層だが、医療従事者、軍人、老人ホーム職員にも反対の声がある。接種を求めた雇用主を従業員が訴える動きも広がっている。フロリダ州などがワクチンパスポートを拒否。ホワイトハウスは強硬姿勢を改め始めた。

医療の市場経済化が進めば、サプリメントや代替医療の需要が高まり、規制緩和の要求が強まるだろう。未来の医療では食事、ストレス管理、個人の知識や習慣の役割が大きくなり、自然治癒力が重視されるだろう。価格が透明になり、より強い説明責任を求めることができるだろう。

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2021-07-15

自由主義の変質


19世紀半ば、自由主義は西洋諸国で勝利を収めた。憲法で基本権が保障され、法の支配と私有財産に根ざす法制度が定まり、自由貿易の拡大を通じ金本位制に基づく世界経済が生まれた。英政治家リチャード・コブデンは穀物法廃止の運動に続き、内政不干渉の理論を平和の基礎として打ち立てた。(歴史家、ラルフ・ライコ)

ドイツにも古典的自由主義の伝統があった。自由貿易運動を率いたのは、英国生まれのジョン・プリンススミスだ。保護貿易を唱えた経済学者フリードリッヒ・リストのライバルといわれる。プリンススミスによれば、政府は規模拡大のためにできるだけ多くの役目と経済的コネを手に入れようとする。(同)

古典的自由主義の柱は私有財産、自由な市場経済、法の支配、憲法による信教・出版の自由の保障、自由貿易に基づく国際平和である。1900年頃まで単純に自由主義(リベラリズム)として知られた。今のリベラリズムは、平等という目的のために私有財産や市場経済に広く介入する。(同)

1900年以後、英自由党は国家主義に舵を切った。当初経済の自由を重んじた米民主党や、党名に自由を冠する大陸欧州の諸政党でも同様の変化が起こった。これは民主主義と選挙政治の影響だ。自由主義政党は社会主義と競ううち、有権者の利益誘導にたけた政治家たちを生み出した。(同)

1900年頃から英語圏などの諸国で、自由主義的(リベラル)という言葉は、民主社会主義の書き手に奪われてしまった。昔のリベラルが個人の自由の敵として恐れた政府は、むしろ自由を拡大する原動力とみなされるようになった。古いリベラルは新しいリベラルに取って代わられた。(同)

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2021-07-14

政府は教育に手を出すな


政府が資金を出す教育バウチャー、政府が提供する学生ローンは政府の役割を逸脱しているだけでなく、道徳に反する。政府は自分の金がないから、税の強制によって国民の一部から金を奪い、それを他の国民やその子供の教育のために使う。他人を犠牲にして教育を行う権利はない。

アメリカ合衆国憲法は連邦政府に対し、学生ローンの供与のほか、教育に関するいかなる権限も認めていない。学生ローンの提供は政府の目的から逸脱している。特定の産業を助成し、市場経済をゆがめる。また、一部の国民に無理やり他の国民の教育費を払わせるのは道徳に反する。

チャータースクール(米国で保護者や教員、地域団体などが州や学区の認可を受けて設ける公立の初等中等学校)が普通の公立学校より優れているかどうかは問題ではない。チャータースクールは結局、公立学校だ。民間の寄付を受けても公立校でなくなるわけではない。運営は普通の公立校と変わらない。政府が税で無理やり人の金を奪い、他の人の子供の教育費を払わせる。

教育は、政府に資金援助をさせてはならない。教育バウチャー、チャータースクール、給食、奨学金、学生ローン、大学の研究支援、育児支援。すべてやめさせなければならない。子供の教育は親の責任だ。どの市民も、他の市民やその子供の教育費の支払いを強制されてはならない。

スクールチョイス(公立学校選択制)の支持者は、真の問題を忘れている。政府の教育への介入だ。教育は健康管理や娯楽、宗教の指導、散髪などと同じく、親が子供に提供できるサービスだ。自分でできなければ家族、友人、民間団体などの助けを借りればいい。だが政府はだめだ。

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2021-07-13

大企業と政府の癒着


大企業と大きな政府は、世間の思い込みと違い、仲は悪くない。政府が支出・課税・規制の何かを通じ大きくなると、大企業は利益を得る。資本主義は非情と言われるが、それは本当の資本主義ではない。政府に頼んで競争相手を規制させ、商売から締め出す。これこそ非情なことだ。

19世紀米国の鉄道王らは成功してからまもなく、規制に縛られた。1887年の法律に基づき、州際通商委員会(ICC)が発足し、すぐに運賃を統制した。鉄道王らは競争に疲れたのか、規制を歓迎した。少なくとも当面、既存の鉄道会社は、自分たちを蹴落とそうとする後発企業から保護された。

米国では2008~2014年の選挙で、バイオ燃料業界が国会議員に1090万ドルの選挙献金を行った。ロビー活動には1億8800万ドルを費やした。農業団体は1ドル献金するごとに、平均2132ドルの「政治的送金」(補助金のこと)を受け取った計算という。腐敗した農業政策の大半は合法だ。

米コロラド州は今年施行した同一労働同一賃金法で、男女間の賃金格差の是正や透明性の確保を狙っている。同州の住民を雇う企業に対し、職位ごとの給与や賞与の開示を義務付けた。多くの企業はそうした情報を公にしたがらない。当然ながら、同州の人を雇わない企業が出てきた。

「日本株式会社」と騒がれた日本の産業政策を論じた本や論文は、日本の多くの失敗を予測できなかっただけでなく、中国が未来の経済大国になる可能性も予見できなかった。韓国、シンガポール、台湾に言及しただけだ。国や経済の未来を予測する専門家の能力とは、そんなものだ。

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2021-07-12

妨げられる税競争


法人税の最低税率の導入で税の国際競争を妨げる主要7カ国(G7)と、反競争的な行為をしたとされるデジタル・プラットフォーマーに、大きな違いはない。先進諸国の提案は、どの国もその製品(国内でビジネスを行う許可)の値段(税率)を引き下げることができないようにする。

民間企業が結託して製品の最低価格を決めたら、カルテルと非難され、社長らは国会に呼び出され喚問されるだろう。ところが法人税の国際的な最低税率を決めた各国政府首脳らは、記者会見で厳しく追及されることすらない。それどころかマスコミはこのカルテルをほめ称えている。

法人税を実際に支払うのは企業ではない。労働者と消費者が賃金の低下と物価の上昇を通じ、そのコストの大半を負担する。おまけに法人税は投資を妨げ、経済成長を鈍らせ、雇用を減らす。だから国々が企業を呼び込もうと減税を競い合うのは、労働者や消費者にとって良いことだ。

小国が大国と競う手段の一つは、法人税率の引き下げだ。フランスの32%、ドイツの29.9%に対しポーランド、チェコは19%、ルーマニアは16%。欧州連合(EU)の政治家は税金競争を「EUへの脅威」だと不平を鳴らしてきた。豊かな西欧諸国は、税率を低く抑える貧しい小国と税金で争いたがらない。

国々が税の安さを競う「税金戦争」を始めよう。左翼は「底辺への競争」だと心配するけれど、それは左翼が大きな政府を好み、人々の所得は国家のものと考えているからだ。「税金戦争」は良いことだ。政治家が互いに争い、世界経済を元気にする減税という弾を撃ち合うからだ。

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2021-07-11

政府がワクチンを急ぐ理由


つねに疑い深くなければならない。科学研究の結果というだけで信じてはいけない。科学研究の多くは質が低く、人類の知識の進歩に何も貢献しない。つねに見なければならないのは、研究の方法であり、資金の出所であり、利益相反の有無だ。

今から百年後、歴史家は新型コロナ感染症を死の伝染病の例ではなく、集団ヒステリーを起こすように仕向けるのがいかにたやすいかを示す例として話していることだろう。

大半の政府は新型コロナに関し、穴にはまり込んでいる。コロナを実際よりはるかに危険に描いてしまった。政府もそれはわかっている。しかしそれを今さら認めるのは無理だ。ロックダウン(都市封鎖)の影響がとても厳しかったのに、骨折り損でしたなどとと言ったら大変なことになる。

政府がコロナ対策の間違いを認めるに認められない穴から抜け出すただ一つの方法は、ワクチンという魔法の弾丸だ。効果や副作用などどうでもいい。重要なのは何も間違いを認めることなく、できるだけ早く穴から抜け出すことだけだ。

政府がわずかな治験データしかないのに新型コロナワクチンの集団接種を始めてしまったのは、十分な数の人が打ってしまえば、危機は去ったと宣言できるからだ。国のトップは英雄として称えられるし、国民は嫌なことを忘れてなんとか生きていける。

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2021-07-10

二つの資本主義


資本主義という言葉を作ったのはマルクスだ。彼とその一派は、二つのまったく異なり、正反対ですらある概念と行動を同じ言葉でごちゃ混ぜにした。一つは市場資本主義であり、もう一つは国家資本主義だ。両者の違いはまさしく、平和で自発的な取引と、暴力による没収の違いだ。(経済学者・法哲学者・歴史家、マレー・ロスバード)

バクーニンとクロポトキンを起源とする無政府共産主義は、純粋な自由主義(リバタリアニズム)の原則とは正反対だ。政府よりも私的所有権を憎む。スペイン内戦のさなか、無政府共産主義の一派が国の多くを支配した際、彼らは通貨を没収・廃棄し、通貨を使った者は死刑にした。(同)

米国の家族生活に対する政府の激しい介入は、1870~1920年代の「革新主義時代」にその基礎が築かれた。禁欲を説くキリスト教の敬虔主義者と左翼が手を握り、米国民の性生活、飲酒、娯楽まで支配しようとした。エリートが政府権力を通じ、家族生活の性格と性質の統治を狙った。(同)

政府の義務教育は多様な子供に適した私立学校の成長を阻害し、親による教育も妨げる。人間の能力は様々だから、標準以下の子、指示に従えない子、思考能力の高くない子も大勢いる。政府はほとんどの国でこの子たちに通学を強制しているが、それは人間の本性を攻撃する犯罪だ。(同)

治安の悪い広場が政府でなく、商店街によって私有されたとしよう。犯罪が横行すればお客は寄りつかず、よそに行ってしまうから、商店街は経済的利益のために、有能な民間警察サービスをたっぷり供給したいと思うだろう。民間企業はいつも、お客を呼び、つなぎ止めようとする。(同)

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2021-07-09

犠牲になる子供たち


新型コロナワクチンに関する会見を開いたロン・ジョンソン米上院議員(共和党、ミネソタ州)によると、大半の人に重大な副作用はないものの、少数の人が深刻な症状に苦しんでいる。ファイザー製品の臨床試験に志願した少女は今、車いす生活だ。母親は「皆の助けになろうとしたのに、助けてもらえない」と話す。

17歳の学生が最初のファイザー製コロナウイルスワクチンを打って一週間後、具合が悪くなり心臓病と診断された。父親によると、学校からサッカーをするにはワクチン接種が必要と言われたという。卒業ダンスパーティーにも出られず、サッカーやサーフィンなど好きなことが何もできなくなった。

ファイザー製ワクチン接種後、心臓発作を起こした高校生の少年によると、医師は当初、発作がワクチンに関係あると認めなかった。少年は、ワクチンは安全でリスクはないと思っていた。医学部に進む計画で、ワクチンは義務だと思った。「今、接種の圧力が強いのです」と言う。チルドレンズ・ヘルス・ディフェンス会長のロバート・ケネディ・ジュニアにポッドキャストで語った。

バイデン米政権は国民の新型コロナワクチン接種を加速させる新政策で「文字どおり、ドアをノックする」。政府の最新データを使い、州や郡レベルでワクチン忌避率の地図を作成した。ランド・ポール上院議員(共和党、ケンタッキー州)は「ワクチンを打つかどうか決めるのは政府ではない。国民だ」と批判した。

政治家が議論をしながら考えることはただ一つ。次の選挙にどれくらい有利になるか、不利になるかだ。世界各国の政府は新型コロナウイルス対策として共産主義を受け入れてしまった。ロックダウン(都市封鎖)、マスク義務化、イベルメクチンやヒドロキシクロロキン(HCQ)といった有効な治療薬の使用禁止がその表れだ。

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2021-07-08

奴隷制は反資本主義


米南部の人種隔離政策(ジム・クロウ法)で電車・バスの座席が白人と黒人に分けられたのは、乗客の要求に基づくものではなかった。乗客は白人も黒人も分離に不満で、電鉄会社も抵抗した。費用が高すぎたからだ。白人が座席分離を望むと思い込んだ政治家が、票を獲得するために実現したのだ。

米南部の奴隷主は「賃金奴隷」という言葉を好んで使った。資本主義が奴隷制より野蛮だと思わせようとしたのだ。奴隷廃止論者は奴隷制が不道徳で良識ある社会にふさわしくないと批判していた。もし北部の賃労働制が奴隷制より悪質なら、奴隷廃止論者を困った立場に追い込める。

米南部の特異な思想家ジョージ・フィッツヒューは奴隷制と社会主義をともに支持した。彼によれば、社会主義は自由競争の廃止や労働階級の保護を提案するが、これは奴隷制によって完璧に実現できる。奴隷制は道徳的に善だから、黒人だけでなく白人にもその恩恵を広げるべきだという。

奴隷制はおぞましいほど不正で不道徳な制度だっただけでなく、自由な労働に基づく市場経済に比べ、不効率だった。偉大な国家を目指して他国の人々を奴隷にするのは危険だ。奴隷制は少数のエリートを潤すために、それ以外の人々を犠牲にする。犠牲になるのは奴隷だけではない。

奴隷労働は運河、鉄道、製鉄所、造船所には向かなかった。米南部で資本主義の成長を妨げた。米北部や西欧の多くの産業は奴隷の作った米南部の綿から利益を得たけれども、それが経済の繁栄に不可欠だったわけではない。世界の工業国は奴隷制の製品がなくても十分やっていけた。

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2021-07-07

説明なきワクチン接種


メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの発明者、ロバート・マローン博士が若者へのワクチン接種に反対し、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)が不十分と述べた後、オンライン百科事典のウィキペディア英語版から同博士に関する情報が削除された。同博士はポッドキャストのインタビューも動画投稿サイト、ユーチューブから削除されている。

欧米大手マスコミは、新型コロナワクチンに死亡を含む重篤な副作用があることをようやく認めたものの、これはワクチンが「効き目はあるが完璧ではない」証拠でしかないという。英紙ガーディアンは書く。「悪い兆しと思ってはいけない。まさしく予想されたとおりなのだから」

米疾病対策センター(CDC)は心筋炎とコロナワクチンに関係がありそうだと認めたのに、子供にワクチンを打ち続けている。17歳以下の子供がコロナで死ぬ確率は同センター自身の数字によれば0.0005%でしかない。12〜17歳で心筋炎の報告は237人で、うち234人はファイザー製ワクチンの接種者だ。

米ワクチン健康被害補償プログラム(NVICP)は「ワクチン法廷」として知られるが、今のところ新型コロナワクチンの被害は対象外だ。ワクチン訴訟を得意とするある法律事務所には、血栓や心筋炎などコロナワクチンの副作用と疑われる相談が少なくとも数百人から寄せられている。

新型コロナワクチンのおかげで、少なくとも九人の十億ドル長者が誕生した。モデルナのバンセル最高経営責任者(CEO)、ファイザーと共同開発したバイオエヌテックのシャヒンCEOらだ。ともに資産は約四十億ドル。中国のカンシノ・バイオロジクスの重役やモデルナの初期からの株主も仲間入りした。

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2021-07-06

よみがえる優生思想


メッセンジャーRNA(mRNA)コロナワクチンの接種は人間をモルモットとする臨床試験だ。ファイザー、モデルナ製のmRNAワクチンが遺伝子操作を使い、人での使用実績がないことは、ほとんど知られていない。緊急利用を口実に、米欧保健当局は通常の動物実験を放棄。製造会社は薬害訴訟を完全に免れる。

20世紀の米国では、優生思想に基づく強制不妊手術が広がった。それは「望ましくない」人口増を食い止める最も効果的な方法とみられていた。同世紀中、30以上の州で7万人近くが手術を強制された。多くは労働階級の女性で黒人、ラテン系、先住アメリカ人がとくに標的になった。

今、優生学は人口管理と呼び名を変えて堂々と議論されている。支持者はたいてい左翼、革新派、ポストモダン主義者、ネオマルクス主義者、グローバリスト、有力政治家だ。大学教授、科学者、技術官僚、医療当局者や、財団を通じて世界のリセットを試みるエリートが含まれる。

社会主義国は、人口の増減に対する規制を強制しなければ成り立たない。人口の規模が一定の水準より増えたり減ったりするのを防がなくてはならない。資本主義国と違い、生まれる人の数を衣食住の限度と調和させる動機が存在しないため、人口そのものを規制しなければならない。(経済学者、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)

社会とは種馬の牧場のように特定の種類の人間をつくる場所ではない。人の望ましい進化とそうでない進化を区別するもっともな基準はない。優生学者は犯罪者をなくしたいという。しかし犯罪者の基準は国の法律次第だし、社会的・政治的イデオロギーの変化によって変わっていく。(経済学者、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)

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2021-07-05

イギリス産業革命の奇跡


18世紀のイギリスで始まった産業革命といえば、最近では環境問題の影響で良くないイメージが広まっている。石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料の使用が急増し、大気中の二酸化炭素濃度が増加するきっかけになったと言われるからだ。

高校などの教科書でも、産業革命に関する記述は冷ややかだ。産業や交通が発達したことは評価するものの、あとは負の側面の指摘が続く。低賃金の長時間労働、劣悪な労働環境、女性や児童の酷使、都市の貧困や犯罪、衛生問題などだ。

けれどもこうした記述には、産業革命が普通の人々の暮らしを飛躍的に豊かにした事実が抜け落ちている。産業革命の奇跡ともいえる功績を明らかにしよう。

イギリスの産業革命は、マンチェスターを中心とするランカシャー地方の綿工業の技術革新から始まった。綿織物は毛織物に比べて洗濯しやすく清潔なうえ、軽く、鮮やかに染めることができる。17世紀以降、インドから大量に輸入され、爆発的な人気を得ていた。この人気を背景に、綿織物の国産化が図られる。

18世紀後半以降、イギリスでは機械の利用が広がり、蒸気機関という新しい動力が導入された。大規模な工場制度が普及し、生産力が向上した。生産の中心が農業から工業に移り、工場を経営する産業資本家が台頭し、工場労働者が増えた。産業革命とは、このような農業社会から工業社会への移行を指す。

さて、人々の生活水準はどうなっただろうか。資本主義を批判した思想家カール・マルクスの考えでは、産業革命によって楽天的で陽気な田舎者が極悪非道な工場と汚い安アパートに押し込まれ、体を壊して咳に苦しみながら若死にするまで働かされることになり、ほとんどの人の生活水準は下がったとされる。この考えに追随する人は今でも少なくない。

しかし貧困、不平等、児童労働、病気、汚染は工場の誕生前からあったと、英科学ジャーナリストのマット・リドレー氏は指摘する。

貧困について言えば、1700年の田舎の貧民は1850年の都市の貧民よりも著しく困窮していて、その人数も多かった。不平等については、身長も生き残る子供の数も、最富裕層と最貧困層の格差は産業化の間に縮まった。経済的な不平等が増大していれば、このようなことは起こらなかっただろう。

児童労働に関しては、産業革命の前には、手動の亜麻糸(リネン)紡績機を幼い子供が使って働いていた。病気について言えば、伝染病による死者は産業化の間に着実に減少した。

汚染については、スモッグはたしかに工業都市で増えた。だが17世紀のロンドンに見られた汚物だらけの通りは、1850年代のマンチェスターにはなかった。

産業革命における生産の機械化は、あらゆる階級の所得を引き上げたとリドレー氏は述べる。平均的なイギリス人の所得は三世紀にわたって停滞していたようだが、1800年頃に上がり始め、1850年までに、人口が三倍になったにもかかわらず、所得は1750年水準の1.5倍になった。

米経済学者ベンジャミン・パウエル氏も、産業革命によって生活水準が改善したと指摘する。1781年から1851年までに、生活水準は農場労働者で60%強、工場労働者で86%強、労働者全体で140%強、それぞれ向上した。

1851年にはイギリスの一人あたり所得は2362ドルとなり、これはドイツより65%、米国より30%多かった。

産業革命初期の1820年以前については、戦争の影響などで生活水準があまり向上しなかったとの見方もある。しかし少なくとも、戦争や人口の大幅な増加にもかかわらず、産業化のおかげで生活水準の悪化を防げたのは間違いない。

スウェーデンの著作家ヨハン・ノルベリ氏によれば、1820年から1850年にかけて、人口が三分の一も増えたとき、労働者の実質所得は100%近く増えた。それ以前のトレンドが続いていたら、平均的な人の所得倍増には二千年もかかったはずだ。イギリス人はそれをたった三十年で実現した。

前述のマルクスは、資本主義が金持ちをもっと金持ちにして、貧困者をもっと貧困にすると思った。だが1883年にマルクスが死んだとき、平均的なイギリス人は、マルクスの生まれた1818年より三倍も豊かになっていた。

1900年には、イギリスの極貧者数は四分の三も減少し、人口の10%ほどになっていた。ノルベリ氏は「人類がこんな経験をしたことは一度もなかった」と強調する。

産業革命とその恩恵はイギリスから他の西洋諸国に波及していった。ノルベリ氏が述べるように、一人あたり所得が持続的に増えた国が一つもない状況が何千年も続いた後で、西洋は1820年から1870年にかけて、一人あたり所得を年率1%以上高めた。1870年から1913年にはこの率が1.6%となり、二度の世界大戦後にそれがさらに加速した。1900年代初頭、極貧比率は西欧と北米で10〜20%に下がった。

現代の水準からすると、1800年のイギリスで工場に勤務する労働者が、ごく若いときから、ひどく危険で汚くて騒がしい環境の中で働き、汚染された街を通って人がひしめく不衛生な家に帰り、雇用保証も食事も健康管理も教育もひどい状態だったことは疑いようのない事実だ。

それでも前出のリドレー氏は、当時の工場労働者について「農場労働者だった祖父や羊毛を紡いでいた祖母よりも良い暮らしをしていたことも、同じくらい疑いようのない事実だ」と指摘する。だからこそ、人々は農場を離れて工場に押し寄せたのだ。

同様の現象はその後、世界各地に産業化が広がるたびに繰り返された。

リドレー氏は、1920年代に米ノースカロライナ州の綿摘み人が語った、こんな言葉を紹介している。「農場からここに移って工場で働くようになったら、農業をしていたときよりもたくさんの服やいろんな種類の食べ物が手に入るようになったよ。それに家も良くなったし。だから、そう、工場に来てからのほうが生活は楽だね」

産業革命初期のイギリスの貧困が強い印象を残すのは、それ以前に貧困が存在しなかったからではない。都市に暮らす著述家や政治家の目に初めてとまったからにすぎない。産業革命によって、人々が富を生む能力は大きく高まった。そのおかげで、貧困者を慈善によって助ける余裕も生まれた。

現代の視点から産業革命を過度に批判すれば、今の豊かさを築いた資本主義そのものの否定につながりかねない。それは今も残る貧困や環境問題の解決に決してプラスにはならない。

<参考文献>
  • マット・リドレー(大田直子他訳)『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』ハヤカワ・ノンフィクション文庫
  • ヨハン・ノルベリ(山形浩生訳)『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』晶文社
  • Benjamin Powell, Out of Poverty: Sweatshops In The Global Economy, Cambridge University Press
(某月刊誌への匿名寄稿に加筆・修正)

2021-07-04

ジャーナリズムの危機


英労働党のジェレミー・コービン前党首は、ロンドンの刑務所で拘束中のウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジと面談を求め、彼についてこう述べた。「世界の真実のため立ち上がった。グアンタナモ収容所など多くの場所で米軍が行った悪事を私たちが理解する手助けをした。高貴なジャーナリストだ」

自由な言論を抑圧するには、北朝鮮やサウジアラビアのように国の秘密警察を使う必要はない。失業する恐怖、退学になる恐怖、母国で暮らす権利を失う恐怖、村八分になる恐怖などにより、現代のいわゆる自由民主主義国で最善の良心の持ち主たちは本心を言わなくなり、沈黙する。(内部告発者、エドワード・スノーデン

マスコミは意見を恐れる。物事の根本の議論を避けようと、問題を恐怖に、熟考を感情にすり替える。マスコミの動機は一般国民を支配エリートの目的に従わせることだ。マスコミは国民が何よりも安全を切望することを知っているから、自分の使命を達成するために恐怖を利用する。

今のジャーナリズム研究者は、報道の客観性という考えを否定する。憲法で保障する言論の自由は、デマをかばう武器になっているという。記者が事実の判明まで評価を保留することさえ、反倫理的とみなされる。記者は報道を通じ、政治的・社会的宣言をしなければならないという。

1918年から大流行したスペイン風邪(インフルエンザ)の発生源はスペインではなく、米国とみられている。だが第一次世界大戦中だったため、米国や連合国の感染情報は士気に配慮し、制限された。中立国スペインの状況は自由に報道され、その印象からスペイン風邪と呼ばれた。

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2021-07-03

ワクチンと医療倫理


新型コロナワクチンは、人体実験における倫理原則を定めたニュルンベルク綱領の十カ条にすべて違反している。第一条「被験者の自発的な同意は絶対に不可欠」に反し、政府や国際機関は後遺症に関する情報を提供しないまま、アメとムチとで実験的なワクチンを打たせようとしている。

米オハイオ州議会で「ワクチン選択および反差別法案」が起草された。権利を変更・追加する法律ではない。新型コロナワクチンを打たないことを選んだ個人を、差別的扱いから守る狙いだ。個人のワクチン接種の有無は、いかなる差別的目的にも利用されるべきではないとしている。

AP通信は「新型コロナで死亡した米国人の大半はワクチンを打たなかった人」と報じ、ワクチンの有効性を強調した。だが社会経済的に低い階層の人々はもともと病気や死亡の確率が高い。一方、ワクチンを避ける傾向がある。死亡とワクチン忌避の相関関係は因果関係を意味しない。

ドイツでの調査によると、学校でマスクを着用する子供が吸い込む二酸化炭素の量は、政府の定めた許容水準の6倍に達する。平均濃度は1万4000ppm近くで、ある7歳の生徒は2万5000ppmにもなった。マスク着用後わずか3分でこれらの値に達し、平均でその90倍の長さにわたって続く。

新型コロナウイルスに関する研究の多くは抗体の生成に焦点を絞っているが、実はメモリーT細胞という免疫記憶細胞が果たす役割も大きい。重症急性呼吸器症候群(SARS)に罹患したことのある人の血液を調べたところ、当時できたメモリーT細胞が17年後も残っており、新型コロナウイルスの一部を認識した。

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2021-07-02

陰謀論は魔法の言葉


1960年代初めまで、米国で陰謀論は話題にならなかった。国民の75%が政府を信頼していたからだ。それはケネディ大統領の暗殺で終わった。1963年11月22日の暗殺の7日後、ケネディの死で大統領に昇格したジョンソンは調査委員会(のちにウォーレン委員会と呼ばれる)を設立し、ケネディ殺害に関する論争を抑え込んだ。

ジョンソン政権はベトナム戦争の批判者を狂った陰謀論者に見せようとした。戦争の口実になったトンキン湾事件は米側の自作自演ではとの説に対し、当時のマクナマラ国防長官は「米政府の仕組み上、陰謀はありえない」と反論した。3年後、ペンタゴン文書で政府の嘘が暴かれた。

陰謀論への非難は、バイデンの大統領当選を助けた。最近リンゼー・グラム上院議員が述べたように、もし米国民がコロナウイルスは中国政府の研究所で作られたと信じていたら、対中国で強硬な大統領を求め、トランプが勝っただろう。しかし中国起源説は親トランプとレッテルを貼られた。

陰謀論とは、政府の不正を消し去る魔法の言葉だ。この言葉を使う左翼の多くは、元共産主義者リチャード・ホフスタッターの1965年の本『アメリカ政治におけるパラノイド・スタイル』を決まって引用する。ホフスタッターによれば、政府に対する不信感は一種の精神疾患だという。

陰謀論を信じるとは、それが本当でも嘘でも、エリートが動かす体制の存在を信じることだ。そのエリートをディープステート(影の国家)、スワンプ(沼)と呼んでもいいし、イルミナティ、オプス・デイ、ユダヤ人と呼んでもいい。単に大銀行と連邦準備理事会(FRB)と呼んでもいい。要するに、陰謀の本質は反民主的な勢力ということだ。(内部告発者、エドワード・スノーデン)

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2021-07-01

ワクチン推進の動機


バイデン米政権は国勢調査データを使い、「ワクチン忌避マップ」を作った。ワクチン推進派の活動家を助け、接種を避ける人の多い地域を狙いやすくする。厚生省が進める社会啓発キャンペーン「We Can Do This(できるよ)」の一環。全米の活動家を煽り、同胞の米国民に新型コロナワクチンを打たせようとしている。

新型コロナワクチンは接種後に死者が出ている。実験的で、多くは遺伝子編集技術を利用している。人体に対する長期の影響は謎のままだ。接種を推し進める動機はうさんくさい。自然免疫を完全に無視しているからだ。自然免疫が実在することは、医療の専門家は誰でも知っている。

米ジョンズ・ホプキンス大学のマーティ・マカリ医師によれば、米国民はコロナの集団免疫を獲得した。ほぼ半数が過去の感染ですでに免疫があったのに加え、40.2%がワクチンの接種を終え、85%が免疫を得た。マカリは「ワクチンを打たない選択をした人を悪者扱いせず、尊重しよう」と話す。

元ファイザー副社長マイケル・イードンは、ロイターのファクトチェックに反論し、自説を強調した。新型コロナワクチンは安全だと主張する連中は、米ワクチン有害事象登録システム(VAERS)、英イエローカード、欧州医薬品庁(EMA)の公式データを見るがいい。EMAには血栓の報告が多数寄せられ、接種の一時中断につながった。

ポルトガルの首都リスボンの裁判所は、市民の請願を受け、新型コロナの死亡データを検証した。それによると、2020年1月から2021年4月までの死亡者数は、政府省庁が発表した約1万7000人ではなく、わずか152人だった。大半の人はPCR検査は陽性だったものの、さまざまな原因で亡くなっていた。

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