2021-07-17

NATOはいらない


冷戦が終わり、北大西洋条約機構(NATO)は役割を失った。ロシアの代わりに中国を標的にしろと帝国主義者は言い出した。そもそもNATOなど作るべきではなかった。米国が巨大な安全保障国家になったのは大きな間違いだ。NATOを廃止し、小さな政府の国を取り戻す。それが今米国にできる最善のことだ。(作家、ジェイコブ・ホーンバーガー)

安全保障国家とは全体主義の政府機構である。北朝鮮、キューバ 、中国、エジプト、ロシア、パキスタンなどとともに、アメリカ合衆国もその一つだ。巨大な情報・軍事体制で全能の権力を振るう。中央情報局(CIA)は設立されてすぐ、刑事手続を無視した暗殺の権限を握った。まもなく暗殺手引書を発行しており、早くから暗殺の技法に特化していた様子がうかがえる。(同)

米政府はかつて戦争した共産主義国ベトナムには制裁していないのに、米国を脅かしたこともないキューバにはしている。国防総省と中央情報局(CIA)が欲しいのは、キューバ革命前のような、言うことを聞く親米の独裁者だ。だから制裁をやめず、キューバの人々を死と窮乏にさらし続けている。(同)

米国には言論の自由があるというが、大企業トップらは戦争や監視、暗殺など安全保障国家の闇には口を閉ざす。批判すれば間接的に報復されるからだ。税務調査、規制による嫌がらせ、企業買収の不承認、放送免許の更新停止のほか、監視・盗聴で個人の秘密まで暴露されかねない。(同)

既存の政治の枠内で起こったことを批判されても、政治家や官僚は我慢する。しかし枠組みそのものに挑んだら、おしまいだ。トランプ前大統領は既存の政治秩序に対する脅威だった。だから政治家と官僚は必死でトランプを政界から追い出し、二度と戻らないようにしようとした。(同)

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