2022-02-28

プロパガンダの戦争

米政府と従順なメディアが、ウクライナを先制攻撃したロシアを感情的に非難したその日、米政府は先に攻撃していないソマリアを空爆した。米政府が全面支援したサウジによるイエメンでの大虐殺は言わずもがなだ。イラク、シリア、リビア、アフガンの人々もあきれるだろう。(ダニエル・マカダムズ) 

欧米の政府やメディアは二重基準をむき出しにして、ロシアによる「主権国家への不当な侵害」を糾弾している。一方、米国と親密で、アラブ系住民を粛清しようとするイスラエルは過去十年に何百回も同様の空爆を行い、今月はシリアを四回空爆したが、専門家は何も言わない。(ウィル・ポーター)

アゾフ連隊は、米国が多くの武器提供で支援してきたウクライナ国家親衛隊の重要部隊だ。数年前からウクライナで戦っているネオナチ民兵でもある。フェイスブックの「危険な個人と組織」リストに掲載されていたが、今後はユーザーがこの部隊を気軽に賞賛できるようになる。(カイル・アンザロン、ウィル・ポーター)

人権活動家40人以上のグループが、ウクライナに対するイスラエルの武器輸出停止を求め、イスラエル最高裁判所に請願書を提出した。ネオナチ思想を公然と信奉する勢力に武器が役立っていると主張。ウクライナ軍の一員である右翼のアゾフ民兵が武器を使用している証拠を挙げた。(ジョン・ブラウン)

2022-02-27

ウクライナ侵攻の前史

米国のネオコンは、歴史が今回のロシアによるウクライナ侵攻から始まったと思い込ませようとしている。それ以前のNATOを東に拡大しないという約束、ミサイルをロシアの国境近くに置くことで生じる脅威、米国が主導した2014年のウクライナのクーデターを忘れてもらいたい。(トーマス・パレー)

ウクライナのオレンジ革命は、ネオコンとグローバリストが起こした。ロシアのウクライナ侵攻は、米国務省と情報機関が西欧の子分らとともに30年画策してきた行動の直接的・累積的な結果だ。ウクライナ国内のロシア系少数民族に対する暴力的な迫害が、プーチンの決断を促した。(ボイド・キャセイ)

ウクライナの中で民族・言語的にロシア系であるドネツク州やルハンスク州の離脱とは異なり、コソボ州はセルビアの文化・国民的独自性の発祥地であり、それゆえセルビア国家の不可欠な一部だった。つまりコソボ紛争は典型的な内戦だった。そこに米政府は介入し武器を提供した。(デビッド・ストックマン)

トランプ前米大統領は、NATOは時代遅れという正しい直感を抱いていたが、ネオコンに説得され軍事支出を増やした。プーチンは誇大妄想的な侵略者ではないと考えてよいだろう。結局のところ、NATOの合計1兆270億ドルの支出は、ロシア以外の誰に向けられているというのか。(デビッド・ストックマン)

バイデン大統領は隣国カナダのトルドー政権による緊急戒厳令の発動には沈黙し、遠くのウクライナについてはよく喋る。人々は西側のプロパガンダに騙され、プーチンが政敵ナワリヌイの銀行資産を凍結すると非難し、カナダ政府がワクチン強制反対派に同じことをすると喝采する。(ジェフ・ダイスト)

2022-02-26

避けられた紛争

この紛争は不必要だ。ウクライナをNATOに加えず、ルーマニアとポーランドからミサイルを撤去するという単純な合意で回避できたはずだ。1962年にミサイル危機が起こったキューバのハバナからワシントンまで1100マイル。ウクライナのキエフからモスクワまでは500マイル以下だ。(リック・スターリング)

プーチンはスターリンではない。非合理でもない。西側と戦争を望んではいない。民族主義者、愛国者、伝統主義者で、ロシアを再び偉大で尊敬される国にできると信じている。しかしNATOの拡大が止まらず、姉妹国であるウクライナがその一員となれば、その望みはかなわなくなる。(パトリック・ブキャナン)

米国人の大半は、ウクライナ人がロシアと良好な関係を保とうとする大統領を選んだとき、米国が介入して政府を転覆させたことを知らないだろう。2004〜05年のオレンジ革命、2014年のマイダン反乱だ。この反乱はヌーランド現国務次官ら米政府高官があからさまに支持していた。 (ダニエル・マカダムズ)

プーチンの対応は、ウクライナでの紛争拡大を避けるために配慮されなかった。不幸な選択だ。米国の約束違反と外交の失敗がこの事態を招いたことも、ロシアの外交の失敗がこの事態を起こしたことも不幸だ。すべての戦争は批判されなければならない。たとえ誰が始めたとしても。(テッド・スナイダー)

2022-02-23

法は道徳にあらず

面倒を避けたいから法に従うことはある。だからといって、あらゆる法が道徳的と考えるのはおかしい。殺人を罰する法はあるが、それは法と道徳が一致するまれな例だ。政府やメディアが何かを「違法」と言ったら、その法を守ることが本当に道徳的で必要か問わなければならない。(ライアン・マクメイケン)

従業員にコロナワクチンを強制する大企業には共通点がある。資産運用会社のブラックロックとバンガードが株主である点だ。両社はワクチンメーカーのファイザー、モデルナ、J&Jの株主で、各社の利益拡大と株価上昇の恩恵を受ける。ワクチンパスポート開発会社の株主でもある。(マイケル・ネブラダキス)

労働者は名目賃金の上昇に注目するが、中央銀行の引き起こす物価高によって実質賃金は下落する。中央銀行がお金を作り出すと、政府とコネのある資本家が得をする。物価が高くなる前に新しいお金が手に入るからだ。その結果、エリート層の購買力が高まり、所得格差が拡大する。 (ロン・ポール)

米第10代大統領ジョン・タイラーは平和、繁栄、自由を守った点で最高の大統領だ。不換紙幣を発行する国法銀行や関税引き上げに反対。セミノール・インディアンの居住権を認めて七年の戦争を終わらせ、陸軍の兵を33%削減した。国内の反乱やカナダとの紛争も平和裡に解決した。(マリー・セロー)

2022-02-22

ウクライナ危機の正体

ウクライナ危機はウクライナとは関係ない。焦点はドイツ、とりわけロシアとつなぐガスパイプライン、ノルドストリーム2だ。これをきっかけに独露が友好関係を強めれば、欧州に米国の軍事基地や高額な兵器やNATOはいらなくなる。ロシアが欧州に対し脅威でなければ都合が悪い。(マイク・ホイットニー)

米バイデン政権は支持率が下がり、勝利が欲しい。まず危機を作り出し、それを解決して信用を高める戦略のようだ。ロシア軍がウクライナに侵攻すると証拠もなく主張する。ロシアがウクライナ国境に近い自分の領土で兵を増やし、侵攻は近いと言う。しかしそれは起こっていない。(ジョーダン・シャクテル)

誰かの罪を主張するなら、立証責任は主張した側にある。これは論理と討論、法制度の根本原則であり、権力者が自分の好まない国に対し独断で述べた主張だからといって、その原則が魔法のように消えることはない。ところが嘘つきの常習犯である米国の主張は、誰もが受け入れる。(ケイトリン・ジョンストン)

ロシアとの緊張が高まるなか、米政府はウクライナで内政干渉に多額の資金を費やしている。外国政府転覆を担う全米民主主義基金は、民主的に選ばれたヤヌコビッチ大統領を追放し新米政権を据えた2014年以来、同国で親米欧政党や御用メディアの育成に2240万ドルを投じた。(アラン・マクラウド)

2022-02-14

不換紙幣制度の危険

今日のグローバルな不換紙幣システムであるドル本位制は、特別利益団体に奉仕する政府の策略と欺瞞に端を発する。支配エリートに有利で、それ以外の人々には不利になる。不換紙幣は信頼性が低く、誤りやすい貨幣形態であり、常に経済的・社会的に破壊的な結末を迎える。(マヌエル・タカーニョ)

米FRBは窮地に陥っている。今年の利上げを見送りたいかもしれないが、不況にしない限りインフレは収まらない。利上げをしなければ、サプライチェーンの混乱、商品不足、労働力不足、輸送・保険コストの上昇など悪化している状況を完全に制御できなくなるリスクがある。(ジョセフ・ソリスミューレン)

貨幣の代用品である銀行券や預金は、その実態は倉庫証券や不動産の権利書であり、本来の貨幣の準備金を超える紙幣や預金を発行することは詐欺に等しい。ローマ法では、同じ原資産に対し預金者と借り手に同等の権利を与える融資契約は自己矛盾であり、無効とされた。(クリストファー・ムステン・ハンセン)

補助金によってインフレと戦うというすばらしいアイデアは、実際にはさらなるインフレをもたらす。もし政府が最初の介入の失敗をさらなる介入で修正しようとすれば、市場経済が完全に破壊されて社会主義がそれに取って代わるまで、どんどん遠くへ行かなければならない。(ダグ・フレンチ)

2022-02-13

失業減少は良いことか

失業の減少は経済成長のカギではない。経済成長の核心は貯蓄の拡大である。政府の失業対策は無コストではない。人為的に雇用を増やそうとする政府の様々な政策は、貯蓄を富の創造者から政府の政策にそらす。この過程で、富の創造者が経済を成長させる能力は損なわれる。(フランク・ショスタク)

一般には、政府支出の増加や中央銀行の金融緩和で経済全体の需要が強化され、財やサービスの供給が増加すると考えられている。しかし財やサービスを手に入れるためには、まず有用なものを生産しなければならない。つまり供給が需要を動かすのであって、その逆ではない。(フランク・ショスタク)

経営のうまい企業もバブルの破裂からは逃れられない。中央銀行によって新たに注入されたお金を最初に受け取る人々から商品やサービスの需要が増え、それに伴う様々な経済活動が起こる。中央銀行が引き締めに転じると、バブル活動は圧力を受け、整理される危険性が高い。(フランク・ショスタク)

商品・サービス価格全般の下落は、それが富の蓄えの増加の結果であれば、個人にとって常に良いニュースである。バブルの破裂に伴う物価低下も、良いニュースである。非生産的なバブルの減少は、富の創造にとって良いことであり、富全般の蓄えにとって良いことだからだ。(フランク・ショスタク)

行動経済学は、理性が人間行動を導く最大の要素だという考えを疑い、感情こそ人間行動のカギだと強調する。心理学分析によって、人の行動は不合理だと示したつもりになっている。その結果意図せずして、政府の統制で個人を彼ら自身の不合理な行動から守る基礎を築いた。(フランク・ショスタク)