2018年5月28日月曜日

革命か戦争か

革命と戦争は正反対だ。革命は権力の分散。中央集権政府から権力を個人に取り戻し、自分で自分の生活を律することができるようにする。戦争は権力の集中。個人を使い捨ての兵士としか考えないエリートが権力を手にし、国民を動員する。革命の究極の担い手は集団でなく個人だ。

Wendy McElroy: Are You Part of the Revolution or Part of the War? - Bitcoin News

2018年5月27日日曜日

マスク氏の素顔

イーロン・マスク氏の富は政府との癒着で築かれる。これまで受け取った補助は50億ドル超。スペースXは契約の80%を米政府から得る。香港が電気自動車所有者への税控除を打ち切ったとたん、テスラの販売はゼロ近くに落ち込み、デンマークでも補助金削減で売り上げが急減した。

Elon Musk, Crony Capitalist | Mises Wire

2018年5月26日土曜日

国際収支のナンセンス

すべての人を身長の高さによって二つのグループに分け、その間のお金の流れを計算しても、経済的な意味は何もない。同じく、すべての人をある国(たとえば日本)と他の国の人に分け、その間のお金の流れを計算しても、経済的な意味は何もない。その無意味な数字が国際収支だ。

The Balance of International Payments Is Economic Nonsense

2018年5月25日金曜日

知識人の本音

知識人(intellectuals)は進歩が嫌いだ。自称「進歩派」の知識人ほどそうだ。進歩の成果が嫌いなわけではない。その証拠に、大半の評論家やその支持者は筆と墨ではなくPCを使うし、麻酔抜きの手術など望まない。彼ら口舌の徒が嫌いなのは、人間は自分で世界を理解し良くできるという考えだ。

Quotation of the Day... - Cafe Hayek

2018年5月24日木曜日

商人の経済

慣習や命令に基づく原始経済には農民、兵士、行政官はいるが、商人(traders)はいない。一方、現代の経済には商人があふれる。原材料の商社、株取引のブローカー、多数の部品やサービスの提供業者、海運会社、ネット通販や家電量販店。取引が自発的である限り、あらゆる人に利益となる。

The Beauty of Trade, Contributing Guest | EconLog | Library of Economics and Liberty

2018年5月23日水曜日

人を幸せにしない組織

今の社会でただ一つの組織だけ、他人を幸せにせず、自分だけを幸せにできる。それは政府である。政府は税を強制的に集め収入を得る。建前上、政府は市民に公共財(public goods)を供給するが、その価値が払った税を上回る保証はない。現実には税の方が公共サービスの価値をしばしば上回る。

Quotation of the Day... - Cafe Hayek

2018年5月22日火曜日

政府の嘘は国を滅ぼす

政治とは結果責任を問われる冷徹な行為であり、個人間の道徳を単純にあてはめることはできないという主張をよく目にする。しかしそれは浅はかな考えである。なぜなら政治も詰まるところ人間の営みであり、それゆえ人間普遍の道徳と無縁ではありえないからである。

米政治学者ジョン・ミアシャイマーの著書『なぜリーダーはウソをつくのか』(中公文庫)を読むと、そのことがよくわかる。

個人が嘘をつくことは不道徳な行為とされる。これに対し国際政治に関しては、政治指導者が嘘をつくのは賢いことであり、必要悪であり、状況によってはむしろ望ましいものであると考えられることが多い。

この場合の嘘とは、政治指導者が他国に対してつく嘘だと多くの人が想像することだろう。ところがミアシャイマーは意外な事実を明らかにする。筋金入りのリアリスト(現実主義者)を自認する彼は、最初は一般人と同じく、国際政治では国家間の嘘が日常的に見られるものだと信じていた。ところが調べてみたところ、「国家のリーダーや外交官たちは、思ったほど互いにウソはつかない」ことがわかったという。

その代わり、政治指導者は自国民に対しては嘘をつくことが多いとミアシャイマーは指摘する。たとえば米ブッシュ政権はイラク戦争の際、米国民に対し「イラクは大量破壊兵器を持っている」「サダム・フセインはオサマ・ビン・ラディンと密接な関係を持っている」といった嘘をついていた。

「中国や韓国は嘘を並べて世界に反日思想をまき散らしている」といった報道を読んで中韓けしからんと憤る人は、ミアシャイマーの指摘を噛み締めておくがよい。日本人に対して嘘をつく可能性が一番高いのは外国政府ではなく、日本政府なのである。

これに対し、政府が自国民に対してつく嘘は自国の「国益」のためだから構わないと擁護する向きもあろう。しかし、そこには二つの落とし穴がある。

第一に、嘘は国にとって利益になるのではなく、その反対に害を及ぼす危険もある。イラク戦争に際しブッシュ政権がついた嘘は、米国を泥沼の戦争という大災害に導いた。

第二に、嘘の使用が国内政治に飛び火し、重大なトラブルを起こす恐れがある。たとえば政治家やリーダーたちの行動について真実を知るのが不可能になってしまえば、有権者は彼らに説明責任を追求できなくなる。

中国の軍拡や北朝鮮の核ミサイル開発などについて日本政府は危機感を煽る。しかしそれがミアシャイマーのいう「恐怖の煽動」という嘘でないかどうか、冷静に見極めなければならない。国益を口実とした嘘の横行は道徳を腐敗させ、国を内側から滅ぼす。

(2018年2月、「時事評論石川」に「騎士」名義で寄稿。この号で連載終了)

大義の代償

2012年に死去した英国の著名な歴史家、エリック・ホブズボーム(Eric Hobsbawm)は1989年にベルリンの壁が崩壊するまで、共産党員であり続けた。もしもソ連による社会主義の実験が成功していたら1500万〜2000万人といわれる犠牲者は正当化できるかと問われ、「できる」と答えたのは有名である。

There's No Such Thing as Moderate Marxism - Bloomberg


2018年5月21日月曜日

人は誰でも残酷になる

評論家の石平が数年前に刊行した『なぜ中国人はこんなに残酷になれるのか』(ビジネス社)という本がある。文化大革命や天安門事件、権力闘争、異民族征圧に際して生じた虐殺を暴露し、日本人と比べ人殺しが好きな中国人の真実を明らかにするという。

アマゾンに投稿された読者のレビューはどれも評価が高く、「やっぱり中国人の残虐さは日本人の比ではないようです」「ただ殺す人数が多いというだけではなく、その殺し方も非常に残虐で、特に女性に対するそれは想像するだけで吐き気がします」などと優越感に浸っている。

中国共産党をはじめ、支那人が多くの残虐行為を行ってきたことは事実である。しかしだからといって、日本人が支那人よりも残酷でないとは言えない。それを確かめるには「南京大虐殺」について調べる必要などなく、日本の歴史を少し知っていればよい。

戊辰戦争で明治政府軍は錦の御旗を掲げて会津若松に殺到し、会津戦争となった。だが官軍の所業は、とても正義にかなうとは言いかねるものだった。

星亮一『よみなおし戊辰戦争』(ちくま新書)は郷土史家、宮崎十三八の描写を紹介している。

それによれば、若松城下に襲いかかった薩摩、長州、土佐、肥前の西軍は土佐兵を先頭に城下の各町に殺到し、抵抗する会津兵はもとより、武士、町人百姓、老若男女の別なく、町のなかにいた者は見境なく斬られ、打ち殺され、あるいは砲弾の破片に当たって死んだ。

屋敷のなかは煙が充満し、火の手が迫る。そこにまた砲弾が炸裂した。至るところで阿鼻叫喚、修羅場はたちまちこの世の地獄となった。攻める者は血を見ると、怪鬼のように快感を覚えて、人影を見れば、撃ちまくったという。まるで伝えられる「南京大虐殺」の有様そのものである。

戦後処理も非道だった。明治新政府が「賊軍の死骸には手をつけるな」と厳命したため、千数百の遺体が城下に放置され、野犬や鳥の餌食になった。

それだけではない。会津藩士とその家族は戦後、遠く青森県の下北半島に流され、老人や子供が飢えのためにバタバタと命を落とす。

大正時代に入っても日本政府は会津に冷淡で、鹿児島や山口には旧制高等学校が設置されたが、会津若松には高校はおろか専門学校もできなかった。「これほどの差別があるだろうか」と宮崎は憤る。

人間の残酷性は国籍、民族、宗教を問わない。時と場合により、誰もが残酷になりうる。日本人だけがその本性と無縁でいられるわけがない。他国人の残酷性をあげつらい、自国人のそれに気づかない底の浅い人間観にはあきれるしかない。

(2017年12月、「時事評論石川」に「騎士」名義で寄稿)

強制の害悪

もし自由な社会を守りたいなら、ある目的にとって望ましいからといって、強制(coercion)を正当化することはできないと認めなければならない。強制は個人から思考と価値判断を奪い、他人の目的を達成するだけの道具にしてしまう。政府に広範な強制力を与えたら最後、抑制するのは困難だ。

18 Hayek Quotes That Show the Importance of Liberty - Foundation for Economic Education