リンク先は、ハンス=ヘルマン・ホッペ(Hans-Hermann Hoppe)の著書『Getting Libertarianism Right』の第1章「A Realistic Libertarian(現実主義的なリバタリアン)」のページです。
この章の主な内容は以下の通りです:
1. 右派と左派の世界観の定義
ホッペは、リバタリアニズムを論じる前に「右派」と「左派」を定義します。
右派: 人間には肉体的・知的に根本的な「不平等」があるという現実を認め、その結果として生じる社会的な格差や階層を自然なものとして受け入れる立場。
左派: 人間の違いは環境要因によるものであり、本来は平等であるべきだと主張する立場。生物学的な差異による格差であっても、それを「不当な運」と見なし、国家による再分配や補償(平準化)を求めます。
2. リバタリアニズムとの互換性
ホッペは、リバタリアニズムが右派・左派のどちらと親和性があるかを論じています。
右派との関係: 強く肯定しています。リバタリアンは、人間が不平等であるという経験的事実を認めるべきであり、平和的な市場取引の結果として生じる格差を容認する「レッセ・フェール(自由放任)」の原則は、右派の世界観と一致すると述べます。ただし、犯罪や国家の特権によって生じた不平等については、修正(回復)が必要だと付け加えています。
左派との関係: 強く否定しています。左派の掲げる「平等主義」は現実に反しており、リバタリアンが守るべき私有財産権や個人の自由と根本的に矛盾すると主張します。
3. 「左派リバタリアン」への批判
ホッペは、自らをリバタリアンと称しながら左派的な価値観(反差別、オープンボーダー、伝統的道徳の破壊など)を持つ人々を厳しく批判しています。
彼らの主張は、伝統的な家族形態や共同体の権威を弱めるものであり、それは結果として国家による社会統制(分断して統治せよ)を助長していると警告しています。
特に、白人・中産階級の伝統的な家族モデルこそが経済的成功と文明の基礎であり、これをおとしめることは文明の衰退を招くと論じています。
4. 結論
ホッペの言う「現実主義的なリバタリアン」とは、抽象的な権利論に終始するのではなく、人間の生物学的・社会的な現実(不平等)を認め、文明を支える伝統的な社会構造(家族、私有財産、差別化の権利)を重視する、保守的・右派的な視点を持つリバタリアンのことを指しています。
要約すると、「平等主義はリバタリアニズムの敵であり、真のリバタリアンは(右派的な意味での)社会の自然な不平等と伝統的な秩序を認めるべきだ」という主張が展開されています。
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