リンク先は、ハンス=ヘルマン・ホッペ(Hans-Hermann Hoppe)の著作『Getting Libertarianism Right』の第3章「Libertarianism and the Alt-Right: In Search of a Libertarian Strategy for Social Change(リバタリアニズムとオルタナ右翼:社会変革のためのリバタリアン戦略を求めて)」の内容です。
この章の主な要点は以下の通りです:
1. リバタリアニズムとオルタナ右翼の共通点と相違
共通点: ホッペは、オルタナ右翼の多くのリーダーがリバタリアン的な傾向(特にロスバードへの理解やロン・ポールの支持)を持っていることを指摘しています。また、既存の政治体制やリベラルなエリートに対する懐疑心、自由な結社の権利(差別する権利を含む)の重視などが共通しています。
相違点: オルタナ右翼の中には、経済的な保護主義(関税や貿易制限)を支持する者が多く、これはリバタリアンの自由貿易の原則と対立すると述べています。また、リチャード・スペンサーのような一部の勢力が「国家(ステート)」を肯定する方向へ向かっていることを批判的に見ています。
2. 社会変革のための「ポピュリスト戦略」の提案
ホッペは、ハイエクが提唱したような「知識人から大衆へ」というトップダウンの変革モデルを否定します。なぜなら、現代の知識人やメディアは国家に雇われた「問題の一部」だからです。
代わりに、支配エリートを飛び越えて大衆に直接訴えかける「リバタリアン・ポピュリズム」が必要だと主張しています。
3. 具体的な戦略の柱
ホッペは、リバタリアンがオルタナ右翼的な視点から学ぶべき点として、以下の具体的な戦略を挙げています。
大量移民の停止: 移民は「招待制」であるべきだとし、福祉目的の移民や文化的に相容れない移民の流入に反対しています。これは「強制的な統合」を避けるための自由な結社の権利に基づいています。
福祉国家の解体と「被害者」の特定: 税金を消費する側(国家エリートや依存層)と、税金を払わされている側(生産的な市民)を明確にし、特に「白人、ヘテロセクシャル、キリスト教徒、家族を持つ男性」などが国家の文化的・経済的攻撃の標的にされているという視点を示しています。
「強制的な統合」の廃止: 人種、宗教、性的指向などによる差別を禁じる法律(不当差別禁止法)を撤廃し、人々が自分のコミュニティで誰と関わるかを自由に決定できる権限を取り戻すべきだと説いています。
分権化と脱退(セセッション): 中央集権的な国家を解体し、小さな政治単位への分裂を促すことで、自由な競争と社会秩序を回復させることを目指しています。
結論
この章でホッペは、リバタリアンが「政治的正しさ(ポリコレ)」を捨て、オルタナ右翼が重視するような「文化・伝統・秩序」の重要性を認識しつつ、リバタリアンの核心である「私有財産権」に基づいた現実的な社会変革を目指すべきだと結論づけています。
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