リンク先は、ハンス=ヘルマン・ホッペ(Hans-Hermann Hoppe)の著書『Getting Libertarianism Right』の第2章「Democracy, De-civilization, and the Quest for a New Counterculture(民主主義、脱文明化、そして新しいカウンターカルチャーの探求)」のページです。
この章の主な内容は以下の通りです:
1. 民主主義による「脱文明化」
ホッペは、民主主義を単なる政治形態ではなく、社会を「脱文明化(de-civilization)」させるプロセスであると批判しています。
時間の選好(Time Preference)の上昇: 民主主義下では、政治家は「次の選挙」のことしか考えず、他人の財産を収奪して支持者に分配することを繰り返します。これにより、社会全体で貯蓄や長期的な投資よりも、今すぐの消費や略奪が優先されるようになり、文明の基盤である「未来への備え」が失われます。
法的不確実性: 多数決によって法律が絶えず書き換えられるため、普遍的な正義(自然法)が失われ、政治的な力を持つ者が勝つという「無法状態」が蔓延します。
2. 寄生的なエリートと知識人の腐敗
民主主義は、生産的な人々から略奪し、寄生的な人々(政治家や公務員)に分配する仕組みであると述べています。
知識人の買収: 本来、言葉を扱う知識人は市場での需要が少ないため、国家に従属しやすい傾向があります。国家は彼らを「公教育」や「プロパガンダ」の担い手として雇用し、国家の侵害を正当化させる理論を作らせます。
分断と統治: 国家は社会福祉プログラムや特権を通じて、貧困層や特定の業界を味方につけ、国民を分断(Atomization)することで支配を容易にします。
3. 社会の「アブスルディスタン(不条理の国)」化
ホッペは、現代の民主主義社会を「誇大妄想妄想狂が運営する精神病院」や「アブスルディスタン(官僚主義や社会の不条理が常態化した架空の国)」と呼んでいます。
価値の逆転: 強制が自由と呼ばれ、消費が投資と呼ばれ、男性が女性と呼ばれるような、現実と乖離した不条理な言説が主流となり、自然法を信じるまともな人々は「ネアンデルタール人」や「過激派」として排除される状況を嘆いています。
4. 脱出の困難と「新しいカウンターカルチャー」
リバタリアン(ホッペの言うネアンデルタール人)は、このシステムから脱出(分離・独立)しようとしますが、民主主義国家はそれを「反逆」として禁じ、財産を持ち出すことも許しません。
Property and Freedom Society (PFS) の役割: ホッペが設立したPFSのような集まりは、こうした現状を打破するための「新しいカウンターカルチャー(対抗文化)」の拠点であるとしています。
文明を再建するためには、民主主義的な迷信を打破し、私有財産権と自然法に基づく本来の社会秩序を取り戻すための知的・文化的な戦いが必要であると結論づけています。
要約すると、「民主主義は文明を破壊する寄生的なシステムであり、これに対抗して私有財産と真の自由を守るための新しい文化的エリート(カウンターカルチャー)を形成しなければならない」という極めて挑戦的な主張がなされています。
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