ジェリー・ノーラン(Gerry Nolan)氏によるこの論考は、昨日(2026年1月3日)未明に発生したデルタフォースによるベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束作戦を受け、国際秩序の劇的な変化を痛烈に批判したものです。
以下にその内容を日本語で要約・解説します。
汝にはルールを、我には武力を:アメリカの「指導者捕獲ドクトリン」
1. 「正義」という名の誘拐
ノーラン氏は、アメリカが「法の支配」を標榜しながら、実際には単なる「力の誇示」を法律の物語にすり替えていると批判しています。
事件の核心: 米軍特殊部隊が他国の首都に乗り込み、現職の大統領を連れ去ったこと。
矛盾: アメリカはこれを「麻薬テロ対策」や「自由」のためと説明するが、その一方で資源(石油や鉱物)への関心も隠さない。「正直な強盗」のような振る舞いである。
法的問題: 国連の委託も宣戦布告もない「一方的な拉致」であり、国際法を無視した極めて危険な前例を作った。
2. 海上封鎖という「戦争行為」
マドゥロ拘束に至るまでの数週間に及ぶ米海軍による海上阻止(タンカーの拿捕など)について触れています。
ワシントンはこれを「クアランティン(検疫・隔離)」というソフトな言葉で呼び、戦争行為であることを否定していますが、国際法上、封鎖(ブロックエード)は明確な武力行使です。
これをノーラン氏は「私的な法律集を持った世界の沿岸警備隊」気取りであり、実際には非西側諸国に対する違法な強制行為であると断じています。
3. 「台湾の鏡」:中国への口実提供
この事件がベネズエラ一国に留まらない、世界的な波及効果を持つと警告しています。
中国の「正義の使命2025」: 先月末に行われた中国による台湾周辺での演習を、アメリカは「侵略的」と批判しました。
特大のブーメラン: しかし、自国の「裏庭」で海上封鎖を行い、他国のリーダーを拉致したアメリカが、中国の演習を批判するのは偽善的である。
前例の利用: アメリカが「指導者の奪取」を正当化したことで、中国に対しても「自国の勢力圏内での同様の行動」を正当化する口実を銀の皿に乗せて差し出したようなものだとしています。
4. マリア・コリナ・マチャドとノーベル平和賞
2025年12月にノーベル平和賞を受賞した野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏についても言及しています。
ノーラン氏は、この受賞を「政権交代のための道通し」であり、違法な拉致作戦に道徳的なメッキを塗るための「帝国による参加賞」に過ぎないと切り捨てています。
結論:法の終焉と「炎」の時代へ
ノーラン氏は、国際法が「メニュー(自分たちが好きなものだけ選べるもの)」のように扱われ、主権が条件付きのものとなった現状を深く憂慮しています。
「かつては西側諸国だけの特権だった『指導者の捕獲』が常態化すれば、世界は合法化された誘拐の場となる。力がすべてを決める世界では、次のノックに対し、人々は議論ではなく『炎(武力)』で答えるようになるだろう。」
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