2021-01-22

警察サービスは民間で


民間による法の執行は歴史の実績がある。17〜19世紀の英国で被害者はたいてい盗賊捕方(盗賊を捕まえて盗品を回収することを職業にした者)に代金を払い、容疑者を探し当て、捕まえた。司法当局は重罪人を捕らえた者に賞金を出し、共犯者の居所を知らせた者に恩赦を与えた。

開拓時代の米西部では、公的な法執行機関はほぼ存在しなかったが、人々は反馬泥棒協会、ロッキーマウンテン探偵協会といった防犯組織をつくった。その結果、政府の介入が始まるまで、西部で暴力は非常に少なかった。白人の開拓民は先住民と話し合い、その土地を平和に通った。

米連邦捜査局(FBI)の創設は、法執行のニーズを満たすためではなかった。有能な民間警察サービスの地位を不当に奪うためだ。その民間警察とはピンカートン探偵社。FBIはピンカートンの組織と手法を手本に作られた。そもそも政府の警察が無能なので民間探偵社が発達したのだ。

警察の暴力をなくすには、政府をなくさなければならない。すると政府の法律がなくなる。法律を暴力で強制しなくてよい。強制に従わないことを理由に殺される者はいなくなる。民間による非暴力の法執行のほうが優れている。村八分、同業者からの絶交、店への出入り禁止などだ。

高いコストと劣悪なサービスしか政府の機関には期待できない。競争にさらされず、収入を税金に頼れるからだ。民間企業に警察の仕事は任せられないという意見はあるだろう。そう言う前に、今の警察が多額の税金にもかかわらず、犯罪の摘発に役立っていない現実を考えてほしい。

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