「主よ、平和を与えたまえ」は2004年にペルトが作曲した男女混声合唱曲。エストニア出身のペルトは同年3月11日にスペインのマドリードで起こった列車爆破テロ事件の2日後、犠牲者をしのんで作曲に取りかかったと言います。同年7月1日にバルセロナで開いた平和コンサートで披露されました。ラテン語の歌詞は聖書に基づく6〜7世紀の賛美歌で、「主よ、平和を与えたまえ、我らが日々に/他に誰がいましょう/我らがために戦う方/あなた以外に、我らが神よ」と歌います。のちにオーケストラ伴奏付き、器楽版など他のバージョンも作られていますが、やはりオリジナルのアカペラ版の味わいは格別です。191人が死亡、2000人以上が負傷した列車爆破テロ事件は、スペインでは2001年9月11日の米同時多発テロと並び、「3・11事件」と呼ばれるほど衝撃的な出来事で、毎年、ペルトのこの曲が追悼のために演奏されているそうです。
(ナクソス・ミュージック・ライブラリーに投稿)
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