2021-01-27

支配階級の形成


米国では他国同様、政府の企業に対する規制は、政府と企業の一体化を意味した。そのような自由な社会の再編は、1926年にファシスト政権下イタリアの協調法で初めて立法化された。第二次大戦の勃発までには米国のニューディール政策を含め、欧米諸国で同様の立法がなされた。

アイゼンハワー米大統領は軍産複合体に警鐘を鳴らしたことで知られる。それは単に軍国主義への注意ではない。政府と企業の力が一体化し、自己の利益を国の利益よりも優先するようになることへの警告だ。教育、貧困、人種問題に関する官民一体の権力は今や軍産複合体をしのぐ。

1960年代半ば以降、米国で支配階級が成長した。きっかけは政府自ら貧困撲滅と人種融和に乗り出し、国民所得の多くを動かし始めたことだ。大卒者の増加とともに、支配階級はしだいにその権力を大卒の専門家の意見に基づくようになった。専門家は政府とのコネで富と名声を得る。

ソ連、キューバ、中国、ベネズエラなどの社会主義国では、政府権力に接触できることが、成功への最高の手段である。才能や冒険心はあってもいい。しかし誰かが成功していたら、権力とよくつながっているのは間違いない。社会主義の下で成功と権力は表裏一体だ。例外はない。

0 件のコメント: