2022-10-12

アサンジの妻、夫の宿敵をノックアウト

ジャーナリスト、ケイトリン・ジョンストン
(2022年10月6日)

内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジの妻、ステラ・アサンジはテレビ番組で、夫を迫害する者の一人をみごとにノックアウトした。見終わった後、一服したい気分だ。

英ジャーナリスト、ピアス・モーガンの番組に出演したステラ・アサンジは、夫の迫害が世界で報道の自由に及ぼす脅威と、投獄が夫に与えた深い苦痛を説明した。迫害されたジャーナリストの家族が基本的人権を訴えることに対し、どうバランスを取ろうとしたのか、奇妙にもモーガンはジョン・ボルトン(元米国連大使)を招いた。ボルトンはアサンジが米国の逮捕状で投獄された際、トランプ米大統領(当時)の国家安全保障顧問だった人物である。まるで性犯罪被害者を出演させる番組で、バランスを取るため(少女斡旋の罪に問われた)ギレーヌ・マックスウェルを招いたようなものだ。

モーガンがコーナーを紹介し、ステラ・アサンジが夫の窮状を説明した後、ボルトンは、真実を語ったジャーナリストの迫害が、なぜ実際には善で正しいのか説明する場を与えられた。ボルトンは、ジュリアン・アサンジはジャーナリストではなく、米国の戦争犯罪を暴いたことで世界中の人々を危険にさらしたという、中傷屋のお決まりの論法を踏襲。スパイ活動法違反で有罪となった場合にジュリアン・アサンジが受ける恐れのある禁固175年の判決は不適切であり、「彼がしたことからすれば少なくとも176年の刑を受ける」よう願っていると付け加えた。

ステラは、血に飢えたボルトンに面と向かって、戦争犯罪人と呼ぶことで応えた。

「もちろん、ボルトン大使はジュリアンの思想上の宿敵のようなものです」とステラ・アサンジは冷静に答えた。「ボルトン大使はブッシュ、トランプ政権時代、国際法制度を弱体化させ、米国が国際刑事裁判所の管轄下に入らないようにしました。もしボルトン氏が国際刑事裁判所の管轄下にあれば実際、訴追されるかもしれません。ボルトン氏はイラク戦争の主要な応援団の一人でしたし、ジュリアンはリークによって(イラク戦争の)事実を暴露しました。だから、ボルトン氏はここで利益相反を抱えることになります」

「そんな馬鹿な!」。ボルトンは、この非難にひきつった笑いで答えた。「私にも言い分がある。話しましょうよ。アサンジの奥さんが恐れているのは、米国に連行され、アサンジが裁判にかけられることだと思うのです。アサンジが無実なら、少なくとも有罪でないという合理的な疑いを示すことができれば、釈放されるでしょう。奥さんは何を心配しているのでしょう?」

モーガンが、その心配は公正な裁判が受けられるかどうかだろうと口を挟むと、ボルトンは、ステラ自身に、夫が米国で公正な裁判を受けられるとは思えないと言わせろと要求した。

「ジュリアン・アサンジが米国で公正な裁判を受けられないと、彼女に言わせればいいのです」とボルトンは答えた。

「夫は公正な裁判を受けられません。なぜならスパイ活動法で起訴され、公益に基づく弁護ができないからです」とステラ・アサンジは答えた。「まさにスパイ活動法の下では、『公益のためにこの情報を公開した』と言うことができないのです。この法律で出版人が起訴されたのは初めてのことで、米国の憲法学者たちは過去五十年間、このようなことが起こりうると警告してきました。ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストは、この起訴は憲法修正第1条(報道の自由)の核心を直撃すると言っています」

ボルトンは根拠もなく、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストは間違っていて、アサンジ事件に対する両紙の立場は「危険」だと答え、アサンジは 「安全な情報に侵入するハッカー」だとたわ言をがなり立てた。

「米国でさえもそんな主張はしていません」と、ステラ・アサンジはまったく正しく答えた。

これが見たかった。この本物の戦争犯罪人が主流のニュース局に何度も招かれ、アメリカ帝国の日々関わる紛争で軍事侵略の拡大に支持を鼓舞し、しかもその正体を暴かれることがないのは、じつに腹立たしい。誰かが主流のテレビで堂々と、この男が戦争犯罪人で、責任を追及されたり、犯罪を暴露されたりしたがっていないと口にするとは、この怪物が長年活動するのを見てきた者にとって、溜飲の下がる思いだ。

(次より抄訳)
Watch Stella Assange Slap The Mustache Off John Bolton's War Criminal Face [LINK]

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