2022-10-30

富裕層は入れ替わる

ケイトー研究所アナリスト、チェルシー・フォレット
(2016年1月8日)

トップに立つのは思ったよりたやすいかもしれないが、トップに立った後、それを保つのは大変だ。

コーネル大学の研究によると、米国人の50%以上が、現役時代に少なくとも1年間は所得上位10%に入る。また11%以上が少なくとも1年間、所得上位1%(年収33万2000ドル以上)に数えられる。

なぜ、このようなことが可能なのだろうか。単純に、これら集団内では入れ替わる率がきわめて高いからだ。

どのくらい高いのか。「トップ1%」に入った米国人の約94%は、その地位を1年間しか享受できない。そして約99%が10年以内にその地位を失う。

ここで、上位1%よりもはるかに高級なクラブである、米国の所得上位400人について考えてみよう。1992年から2013年の間に、上位400人のうち、その地位を1年以上保てなかったのは72%。10年以上保てなかったのは97%以上だ。

ヒューマンプログレスの諮問委員会メンバーであるマーク・ペリーは、このテーマに関する最近のブログ記事で、次のようにうまく表現している。

所得五分位の最上位または最下位、所得上位または下位のX%(あるいは納税者上位400人)などに関する解説を耳にするたびに、当たり前の前提とされるのは、それらは静的で閉鎖的な会員制クラブであり、動的な入れ替わりはほとんどないというものだ。しかし経済の現実はまったく異なる。人々は職歴や人生を通じて、所得五分位や百分位のグループを上下に移動する。

経済的な流動性を、年収ではなく、築いた財産でみてみるとどうだろうか(年収のほうが変動しやすい)。

フォーブス400は、その年の収入に関係なく、推定純資産の合計で最も裕福な米国人をリストアップしたものである。1982年から2014年の間に、フォーブス400のリスト記載者とその相続人の71%以上が400位以内の地位を失っている。

だから次に米国の富裕層について議論するときは、財産か所得かを問わず、入れ替わりが非常に激しいことを忘れないようにしよう。

(次より抄訳)
High Turnover Among America's Rich - HumanProgress [LINK]

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