2022-10-05

プーチンを倒すには

ジャーナリスト、ケイトリン・ジョンストン
(2022年10月3日)

私はプーチンを止める方法を知っている。魔法のような戦略を西側帝国にタダでお教えしよう。

早く実行したくてうずうずしているこの計画を明かす前にまず、AP通信の報道を理解しなければならない。それによれば、ロシアのガスをドイツに運ぶために建設されたパイプライン「ノルドストリーム」を破壊した責任が米国にあるというのは、「根拠のない陰謀論」である。この根拠のない陰謀論を広めているのは、ロシアと極右団体だけだ。

「ロシアの政府と国営メディアは、バルト海の天然ガスパイプラインの損害について米国を非難する、根拠のない陰謀論を熱心に広めている。これはアナリストによれば、米国と欧州の同盟国を分裂させるための新たな企て」だとAP通信は伝える。「ロシアの主張の影響は、米国の保守派や極右団体に人気のあるソーシャルメディアの場にも及んでいる」という。

APのこの情報は、米国犯人説を広める者はロシア人か極右しかいないということを知らない多くの人にとって、驚きかもしれない。例えば、ポーランドの元外相で欧州議会議員のラデク・シコルスキは、米国がパイプラインを爆破してくれたとおおっぴらに感謝したのである。

「根拠のない陰謀論」という報道は、次のような事実を知る人にも驚きだろう。バイデン大統領とヌーランド国務次官が、ロシアがウクライナに侵攻すればノルドストリーム2を止めるとはっきり言ったこと。米国がノルドストリーム2の建設者(ロシア)に制裁を加えたこと。米政府の内部関係者が、欧州がロシアからのパイプラインよりも北米のエネルギーに依存するよう望むと公言していること。怒ったドイツ人が、米主導のロシア制裁の終了とノルドストリームのガス再開を求め始めていたこと。米海軍が最近、パイプラインが攻撃された場所で無人潜水機の訓練をしていたこと。過去にもロシアのパイプラインの近くで爆発物を積んだ無人水中車が発見されていること。ポーランドがノルウェーからデンマークとバルト海を経由してガスを輸送するガスパイプラインをまさに開通させたばかりであること。爆発の直前、米軍のヘリコプターが二つの爆発地点の間をノルドストリーム2のパイプラインに沿って移動した記録があること。アメリカ帝国は欧州を含め、みずからの世界覇権に挑むことのできる国が現れないようにするという、明確な政策を持っていること。米中央情報局(CIA)はロシアのガスパイプラインを爆破した過去が知られていること、等々である。

しかし、ニュースになっているのだから、間違いなく事実なのだ。嘘をつくことは許されない。アメリカは無実なのだ。

それでは、米政府またはその帝国の代理人がロシアのパイプラインの破壊に関係していたかもしれないと信じるのが、狂った陰謀論だとしたら、誰が破壊したのだろうか。

あまりに常識に反するので肝をつぶすかもしれないが、答えを申し上げよう。ロシアだ。

つねに公平で完全に信頼できる専門家たちが、そう言っているのだ。「ロシアが最も怪しい容疑者だ」という元CIA長官ジョン・ブレナンや、自分が「狂人」であることを世界に示すため、プーチンがパイプラインのバルブを閉める代わりに爆破したと言う、北大西洋条約機構(NATO)系シンクタンクのアレクサンダー・バーシュボーらである。

さて、プーチンを打ち負かす私のみごとな戦略を聞く準備はできただろうか。それは、プーチンがロシアの残りの地域を爆破するのを、ただ黙って待つことだ。

結局のところこの狂人は、ニューヨーク・タイムズ紙によれば、すでに支配している原子力発電所を砲撃するよう軍隊に命じている。もしプーチンがわけのわからないことを口走る、理性のない狂人で、狂気の沙汰という以外の理由もなく、自分のものを爆破するのを楽しんでいるのなら、ただ一歩下がって放っておけば、きっとすぐにロシアを瓦礫の山にしてしまうだろう。

プーチンの自滅が楽しみだ。

(次より抄訳)
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : How To Defeat Putin [LINK]

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