反戦団体「コードピンク」共同設立者、メディア・ベンジャミン
アメリカ進歩民主同盟、マーシー・ウィノグラッド
(2022年10月14日)
バイデン大統領が民主党の献金者に率直に語ったところによれば、核兵器による「ハルマゲドン(終末戦争)」のリスクは、ソ連がフロリダから90マイル離れたキューバに核ミサイルを設置した1962年のキューバ危機以来、最も高くなっている。ロシアのプーチン大統領がウクライナで短距離核兵器を使用すると暗に脅したことについて、バイデン大統領は、このような「直接の脅威」が発せられたのはキューバ危機以来のことだと付け加えた。
"The uncomfortable truth is that as long as there are nuclear weapons," write @MedeaBenjamin & @marcywinograd, "we are all hostage to those few individuals who can order their launch." https://t.co/wYtQnGd4Fo
— Common Dreams (@commondreams) October 15, 2022
そんなことはない。
米国には核による脅しの歴史がある。
朝鮮戦争中のI950年、トルーマン大統領は、北朝鮮にいる中国軍に対する核兵器の発射を「前向きに検討中」だと述べた。
1953年、アイゼンハワー大統領(後に軍産複合体を非難)は、中国が朝鮮戦争の休戦交渉を拒否した場合、核兵器の発射を命令すると脅した。
ベトナム戦争中の1969年、ニクソン大統領は北ベトナムに降伏を迫ろうと、B52核爆撃機の厳戒態勢を密かに命じた。ニクソンは「狂人理論」を信奉していた。核兵器を使うほど狂っていると敵に思わせれば、敵は屈服するという理論だ。しかしこの理論は効果がなく、推定200万人のベトナム人が死亡し、6万人近い米兵が遺体袋に入れられた後、1973年に米軍はベトナムから逃げ出した。
2007年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、イランが核開発を追求するならば、「あらゆる選択肢を検討する」と述べている。
2017年、ドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮のミサイル実験をきっかけに、同国に「炎と怒り...世界がかつて見たことのないようなもの」を浴びせると威嚇した。
2020年、米国は通常兵器と核兵器を搭載できるB-52機を黒海とバルト海に配備し、ロシアの軍事基地と港湾への攻撃を模擬した飛行を行っている。
不愉快な事実だが、核兵器が存在する限り、私たちはその発射を命令できる少数の人物の人質なのだ。
キューバ危機の記念日に出すべき答えは、核兵器を増やすことではなく、ブッシュやトランプが放棄した軍備管理条約に立ち返り、核兵器禁止条約に署名して地球上から核兵器を廃絶することである。
核兵器による脅迫の舞台は、ずっと以前に設定されていた。第二次世界大戦末期の1945年、トルーマン大統領は広島とその三日後の長崎に原爆を投下し、炎の爆発と死の灰の雨の中で推定20万人の人々に放射線を照射し、絶滅させた。
核兵器による脅しの舞台が整ったのは2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を破棄したときだ。この条約では、飛来するミサイルを破壊するために米露が配備できるミサイルシステムの数に上限を定めた。米露が認識していたように、防衛的なミサイルシステムは、それに打ち勝つ新兵器の開発によって軍拡競争を激化させる可能性がある。もし防衛の効果が確かなら、報復を恐れず先制攻撃に出る気にさせるかもしれない。
核による恐喝の舞台が整ったのは2019年、ドナルド・トランプ前大統領が米露の中距離核戦力(INF)全廃条約を破ったときだ。これ以前に、両超大国は約3000基の短距離・中距離ミサイルを破壊していた。
つい最近も、米議会は核不拡散条約(NPT)の下での公約に反して、1兆ドル規模の核「近代化」プログラムへの資金提供の継続を決議した。この数十年にわたる核再軍備の一環として、米国は中西部の即時発射態勢にある400基のミニットマン大陸間弾道ミサイル(ICBM)を、600基の新しい核ミサイルに置き換える予定である。地下のサイロに深く埋められるこれらの新しいミサイルは、米国が日本に落としたものの20倍以上の威力を持つ核弾頭を搭載する。
明確な脅しから暗黙の脅しまで、米国は長年にわたって核の恐喝に頼ってきた。
ジョン・F・ケネディ大統領は、キューバ・ミサイル危機を武器ではなく外交で解決した。ソ連がキューバからミサイルを撤去する代わりに、米国はトルコに設置された核兵器を撤去すると申し出たのである。
バイデン大統領は、ポーランドとルーマニアから対弾道ミサイルを撤去することを申し出ることで、ケネディの志を継ぐことができるだろう。ウクライナの中立支持を申し出ることもできる。これらは現状打開の選択肢だ。
キューバ・ミサイル危機の記念日に出すべき答えは、ウクライナにさらに武器を送りつけて核戦争の危険を冒すのではなく、即時停戦を支持し、外交による解決を追求することで、核戦争の瀬戸際から人々を連れ戻すことである。
(次より抄訳)
Opinion | What Must Be Done to End Nuclear Extortion and Build Lasting Peace | Medea Benjamin [LINK]
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