Is Trump Wavering on Iran? - by John J. Mearsheimer [LINK]
【海外記事紹介】アメリカの著名な国際政治学者ジョン・ミアシャイマー氏が、トランプ政権の対イラン政策の変遷について興味深い分析を公表しました。2026年2月25日に配信されたポッドキャストにおいて、同氏は前夜に行われたトランプ大統領の一般教書演説を踏まえ、アメリカがイランへの軍事攻撃を回避する方向に動き出している可能性を指摘しています。トランプ氏は演説の中で、イランに核兵器を持たせてはならないと強調しつつ、イラン側から「核兵器は決して保有しない」という、いわば「魔法の言葉」をまだ聞いていないと述べました。しかし、これに呼応するかのように、イランの外相は演説直前に「いかなる状況下でも核兵器は開発しない」という明確な信念を表明しており、ミアシャイマー氏はこの発言がトランプ氏の要求を満たすものであると分析しています。
注目すべきは、今回のトランプ氏の主張に、これまで大きな障壁となっていた「ウラン濃縮能力の放棄」や「弾道ミサイル開発の停止」、さらには「ハマスやヘズボラへの支援中止」といった条件が含まれていなかった点です。これらの要求が省かれたことは、イランとの合意形成を容易にする大きな変化と言えます。さらにミアシャイマー氏は、トランプ氏を取り巻く国際情勢の変化も挙げています。現在、イスラエルを除く世界中の国々が攻撃に反対しており、通常はイランと対立する湾岸諸国までもが自制を求めている状況です。米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長も、イラン攻撃には有効な軍事的選択肢がなく、泥沼の戦争に陥る危険性を警告しています。
加えて、米国内の政治的要因も無視できません。支持率の低迷に悩むトランプ氏に対し、政治顧問らは11月の中間選挙で上下両院の過半数を民主党に奪われるリスクを説き、開戦に反対しています。失敗に終わる戦争は、政権にとって致命傷になりかねないからです。しかし、ミアシャイマー氏は楽観視しすぎることに釘を刺しています。依然としてイスラエルと、米国内で強大な影響力を持つイスラエル・ロビーはイランへの軍事行動を強く働きかけているからです。もしトランプ氏がこれらの圧力に屈して戦争を開始すれば、それは再び「イスラエルのための戦争」という構図になると同氏は警鐘を鳴らしています。対話の兆しと、戦争への圧力が交錯する極めて危うい局面にあると言えるでしょう。
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