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2026-02-28

欧州中銀、ドル資産を売り円を買う

ECB sells some dollar assets, cuts weight of dollar in reserves | Reuters [LINK]

【海外記事紹介】欧州中央銀行(ECB)が、外貨準備として保有していた米ドル資産の一部を売却し、日本円へと振り替えていたことが明らかになりました。ECBが発表した最新の財務報告書によると、昨年の第1四半期にポートフォリオの標準的な再バランスの一環としてドルを売却し、その売却益である9億900万ユーロ(約10億7000万ドル)をすべて円資産に再投資したとのことです。ECB側はこの動きを「目標とする資産配分に合わせるための通常の調整」と説明し、市場への影響を最小限に抑えようとしています。

具体的な数字を見ると、ECBのドル保有額は一昨年の519億ドルから昨年は509億ドルに減少した一方で、円の保有額は1.5兆円から2.1兆円へと大幅に増加しました。ユーロ換算で見ると、ECBの外貨資産に占めるドルの割合は83%から78%に低下しています。この背景には、予測不可能なアメリカの経済政策や昨年起きたドル安の影響を受け、一部の大口保有者がドルへの露出を減らそうとしているのではないかという市場の推測もありましたが、ECBはあくまで事務的な調整であるとの立場を崩していません。

また、ECB自身の財務状況についても注目すべき点が報告されています。ECBは2025年度に13億ユーロの最終赤字を計上しました。前年度の79億ユーロという記録的な赤字からは縮小したものの、依然として厳しい状況が続いています。これは、かつてパンデミック期などに行われた大規模な金融緩和策の後遺症によるものです。当時、大量に発行された通貨が市中に残っており、現在の高金利環境下で、ECBはその余剰流動性に対して多額の利息を支払わなければならない構造になっています。

ここ数年で金利が急上昇したことで、ECBは景気を冷やすために金利を上げましたが、これにより自分たちが市中の銀行から預かっている莫大な資金に対しても、高い利息を支払わなければならなくなったのです。一方で、ECBが過去に買い集めた国債などは、金利が低い時期に買ったものなので、そこから得られる収益はわずかです。「支払う利息が高く、入ってくる収益が低い」という逆ざや状態が起きています。

ECBは、今年か来年には黒字に転換すると予測していますが、これまでの累積損失は105億ユーロに達しており、配当を再開できるほど財務が健全化するには、次の10年近くまでかかる可能性があると見られています。

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