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2026-02-28

帝国を支える不換紙幣

Monetary Decay and Imperial Survival | Mises Institute [LINK]

【海外記事紹介】アメリカの自由至上主義的な視点から、現在の国家システムが抱える構造的な欠陥を厳しく批判する論考をご紹介します。筆者は、現代アメリカで起きている事態は単なる官僚の無能によるものではなく、政治、金融、企業の各組織に組み込まれたインフラとインセンティブがもたらした必然的な結果であると主張しています。特に、中央銀行である連邦準備制度(FRB)は、中立的な安定装置などではなく、帝国の債務システムを支える要石に過ぎないと断じています。不換紙幣の増刷は価格信号を歪め、貯蓄者から資産保有者へと富を転置させ、本来なら政治的に不可能なはずの巨額の軍事費や福祉支出、官僚機構の肥大化を可能にしてしまっているというのです。

アメリカという帝国が、世界的な軍事力と恒久的な戦争経済を維持するためには、正直な課税だけでは国民の反乱を招くため、不可能な規模の資金が必要です。その解決策として選ばれたのが、際限のない通貨膨張です。FRBが債務を貨幣化し、金利を抑制することで、財政破綻を先延ばしにしているのが実態です。この枠組みにおいて、インフレは「隠れた税金」として機能します。新たに作られた通貨は、まず金融機関や政府契約者の手に渡り、株や不動産の価格を押し上げますが、労働者の賃金上昇はそれに追いつきません。公的には「物価の安定」と呼ばれているものは、私的な実感としては「永続的な衰退」でしかないのです。

歴史を振り返れば、ローマ帝国も軍事費や民衆への懐柔策を賄うために通貨デナリウスを改鋳し続け、生産基盤を空洞化させて没落しました。1971年の金本位制廃止以降、アメリカも同様の道を歩んでおり、赤字財政への制約が取り払われた結果、過度な介入主義が蔓延しました。現在の政治状況では、進歩派は「公平」や「包容」といった道徳的な言葉で国家権力を正当化し、保守派は本質的な構造を無視したパフォーマンスに終始しています。両派が文化的な対立に明け暮れる裏で、この搾取の仕組みは着々と継続されているのです。

オーストリア学派の経済学によれば、不換紙幣のシステムが永遠に続くことはありません。信頼が崩れたときには、必ず崩壊がやってきます。解決策は、中央銀行の特権を廃止し、通貨の規律を取り戻すこと、そして中央集権から脱却して、自発的な結社や地域の主権を取り戻すことにあります。これ以上の先延ばしは、将来の調整をより過酷なものにするだけです。偽造同然の通貨が破綻し、帝国の過剰な拡大が是正されて初めて、真の経済回復が始まると筆者は結論づけています。

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