China encourages dollar buying to slow surging yuan | Reuters [LINK]
【海外記事紹介】中国の経済政策に大きな変化が見られました。中国人民銀行(中央銀行)は金曜日、急ピッチで進む「元高」に歯止めをかけるため、企業や銀行がドルを買う際にかかるコストを引き下げる決定を下しました。具体的には、3月2日から「外為先物取引」に対する20%のリスク準備金制度を撤廃します。これまで元安局面では、元を売ってドルを買う動きを抑制するためにこの準備金が必要でしたが、今回はそのハードルをなくすことで、あえてドル買いを促す「元高阻止」へと舵を切ったのです。
この背景には、中国経済を支える輸出企業からの悲鳴があります。現在、中国の元は米ドルに対して約3年ぶりの高値水準にあり、昨年4月からの上昇率は7%を超えています。元が強くなれば、海外にモノを売る輸出企業にとっては、手元に入るドルの価値が目減りし、利益を圧迫します。実際に、あるソフトウェア企業は元高の影響で2025年度の利益が28%も減少したと発表しており、同様の被害を訴える企業が続出しています。中国国内では不動産不況などによる内需の低迷が続いているため、政府としては、唯一の成長エンジンである輸出の競争力をこれ以上削ぎたくないという切実な事情があります。
市場では、今回の措置を「人民銀行による強力な介入の合図」と受け止めています。1月には中国へ約800億ドルの巨額な外貨流入があり、これは過去3番目の規模となる歴史的な多さでした。輸出企業がこぞって手元のドルを売って元に替える一方で、輸入企業は支払いのためのドル買いを先延ばしにするという、極端な「元買い・ドル売り」の状態が続いていたのです。今回のルール変更により、企業が将来の支払いのためにあらかじめドルを買っておく「ヘッジ」がしやすくなり、市場の需給バランスが改善されることが期待されています。
もっとも、専門家の間では、今回の措置は元高のスピードを緩める効果はあるものの、大きな流れを変えるには至らないとの見方が有力です。アメリカの金利低下や、中国の高い輸出競争力を背景に、今後も元には上昇圧力がかかり続けると予想されています。人民銀行は、元が「適正で均衡ある水準」で安定することを目指すと述べていますが、自国の景気を守るために、通貨の急騰という新たな課題と向き合わざるを得ない状況に追い込まれています。
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