TGIF: Justice Thomas's Pathetic Tariff-Case Dissent | The Libertarian Institute [LINK]
【海外記事紹介】アメリカ連邦最高裁判所は、トランプ大統領が議会の承認なしに独断で関税を課す権限(国際緊急経済権限法:IEEPA)は認められないという、歴史的な判断を下しました。ジョン・ロバーツ最高裁判所長官は、6対3の多数派意見の中で、関税を課すという「無限の権限」を行使するには議会による明確な授権が必要であり、従来の法律にはそれを裏付ける文言はないと断じました。これは、世界中に関税をかけようとするトランプ氏の強権的な姿勢に対する大きな打撃と言えます。
しかし、注目すべきはこの判決に反対したクラレンス・トーマス判事の驚くべき論理です。トーマス氏は保守派の重鎮として知られますが、今回の反対意見では、関税の賦課をトランプ氏個人の裁量に委ねることを全面的に肯定しました。通常、国民の生命や自由、財産を奪う「核心的な立法権」は議会にのみ帰属し、大統領に譲渡することはできません。ところがトーマス氏は、外国との貿易は個人の「権利」ではなく政府が与える「特権」に過ぎないという独自の解釈を展開しました。
トーマス氏によれば、国内の税金は財産権に関わるため議会の専権事項ですが、外国との取引にかかる関税は「外部の問題」であり、国際法上の主権国家間の関係に属します。つまり、関税は税金ではなく、国から輸入の許可をもらうための「手数料」のようなものだという理屈です。この論法に立てば、大統領が関税をいくら引き上げようとも、国民の基本的な財産権を侵害したことにはならず、したがって議会の承認も不要であるということになります。
この記事の著者であるシェルドン・リッチマン氏は、このトーマス氏の論理を「手品のようなすり替え」だと厳しく批判しています。関税は実質的にアメリカの輸入業者が支払う税金であり、自由な取引を制限するものです。しかし、トーマス氏は自らの政治的な結論を正当化するために、過去の判例や特権という概念を都合よく持ち出したのだと指摘しています。法治国家の名の下で、いかに恣意的な解釈が行われ得るかを示す、非常に象徴的な事例と言えるでしょう。
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