Why You Never Hear Anyone Talk about the "Small Business Lobby" | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】「スモールビジネス(中小企業)・ロビー」という言葉を耳にしないのはなぜか。この記事では、大企業が享受するような強力なロビー活動や政府からの巨額の補助金・救済策が、中小企業セクターには存在しない理由を歴史的・経済的な視点から分析しています。
金融、航空、鉄鋼といった巨大産業が政府から手厚い保護を受ける一方で、中小企業が「特権」を得ることは稀です。その最大の理由は、中小企業セクターの圧倒的な多様性にあります。専門サービスから製造、小売、建設まで多岐にわたるため、あるグループに有利な政策が別のグループには不利益になることも多く、足並みを揃えることが極めて困難です。19世紀の政治経済学者ジョン・テイラーは、農民や職人(当時の中小企業層)が政府の富の分配から取り残される理由を「政治的愚者(団結できない)」と表現しましたが、その構図は今も変わっていません。
政治学者の研究によれば、中小企業は「大企業と癒着した与党」に対抗する野党(アウト・パーティー)を支持する傾向があります。しかし、いざその支持政党が政権を握っても、中小企業に目に見える利益がもたらされることはほとんどありません。政府による中小企業支援の象徴である中小企業庁(SBA)も、大企業への補助金に比べれば微々たる予算しか持たず、近年では本来の業務よりも「DEI(多様性・公平性・包括性)」関連の融資に注力しており、中小企業全般の利益を代表しているとは言い難いのが現状です。
2025年の最新研究「中小企業主の政治学」によれば、中小企業主は一貫して右派・保守政党を支持する傾向にあります。興味深いのは、その背景が学歴や理論ではなく、「ビジネスを通じた直接的な経験」にあるという点です。彼らは日々の業務で政府の規制や介入の弊害を肌で感じており、その結果として「政府は放っておいてくれ(Leave us alone)」という反介入主義的な姿勢を強めています。
現代の政治動向において、中小企業主はHILE(High-Income, Low-Educated)と呼ばれる特殊な層を形成しています。大学での理論教育(著者は「教化」と呼んでいます)よりも、市場での実体験を重視する彼らは、高学歴化が進み左傾化する現代のエリート層とは対照的に、規制緩和や減税を求める右派の強力な支持基盤となっています。結局、政府からの「おこぼれ」を期待できない彼らにとって、最善の政策とは「政府の介入を最小限に抑えること」に他ならないのです。
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