THE PAPER SILVER CRISIS HAS BEGUN - by Alasdair Macleod [LINK]
【海外記事紹介】貴金属市場のアドバイザーであるアラスデア・マクラウド氏が、世界の銀市場で深刻な構造的危機、いわゆる「ペーパーシルバー(紙の銀)危機」が始まったと警告を発しています。マクラウド氏は、現在起きている事態は単なる投資家の熱狂や投機的なブームではなく、現物の裏付けがないまま取引される西洋のペーパー市場の限界が露呈した結果であると主張しています。
その根拠として、同氏は2つの奇妙な現象を挙げています。通常、価格が上がれば投機筋の買いが増えるものですが、現在のニューヨーク市場(COMEX)では価格が上昇しているにもかかわらず、ヘッジファンドなどの保有ポジションが歴史的な低水準にあり、取引全体の未決済残高も急減しています。これは、価格上昇を狙った買い注文が入っているのではなく、現物での引き渡しができないペーパー契約が、価格の上昇に耐えきれず強制的に買い戻され、市場が縮小していることを意味しています。
市場の裏側では、驚くべき「現物不足」が進行しています。COMEXでは7億オンスものペーパー契約が存在する一方で、実際に引き渡し可能な現物はわずか8800万オンスしかありません。さらに、銀の現物はロンドンやニューヨークから、より高いプレミアム(上乗せ金利)がつく上海へと急速に流出しています。中国が銀を「重要鉱物」として輸出を停止したことも追い打ちをかけました。これにより昨年10月には、銀のリース料率が1%から40%へと暴騰し、銀が手に入らないために取引が2時間停止するという異常事態まで発生しています。
マクラウド氏によれば、現物不足に窮した大手銀行は、ETFの在庫から銀を借りるなどして、なりふり構わず引き渡し義務を果たそうとしているといいます。これは、かつてのサブプライム危機の際に予兆が無視されたのと同様に、水面下で巨大な氷山が衝突しつつあるサインです。アジアの貯蓄者たちが現物確保に動く中、もし現物での決済ができずに「現金による強制決済」が導入されるような事態になれば、ペーパー取引に基づくすべてのコモディティ市場の信頼は失墜するでしょう。同氏は、ETFなどの証券ではなく、銀行システムの外部で現物の銀を保有することこそが、資産を守る唯一の手段であると結論づけています。
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