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2026-02-27

移民政策の根幹

Immigration Policy Requires Facts, Not Sentimentalism | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事紹介】2026年ミラノ冬季五輪で金メダルを獲得したアリサ・リュウ選手の快挙は、アメリカ社会に大きな喜びをもたらしました。しかし、彼女のような成功例を「移民制度に問題がない証拠」として政治利用する風潮に対し、歴史学者のアラン・モズレー氏は「感情論ではなく、事実に基づく冷静な議論が必要だ」と一石を投じています。モズレー氏は、一言に「移民」と言っても、その技能や教育水準、財政的な影響は多岐にわたり、それらを十把一絡げに「良いもの」として扱うのは、薬の種類や用量を無視して「薬は体に良い」と言うのと同じくらい無責任な政策論だと指摘します。

全米アカデミーズ(NAS)の報告書によれば、高技能移民は生涯を通じて政府収入に大きく貢献する一方、低技能移民は、教育、医療、社会保障といった公共サービスのコストが貢献を上回り、長期的には財政的なマイナス要因となる傾向があります。ハーバード大学のジョージ・ボージャス教授の研究でも、低技能移民の流入による賃金抑制効果は、彼らと直接競合する低所得の労働者やマイノリティ層に最も重くのしかかっていることが示されています。また、制度の不備を突いた不正事件も無視できません。ミネソタ州ではソマリア系移民コミュニティに関連したパンデミック支援金の詐取事件が発生し、2億5,000万ドル以上が失われました。これは特定の民族への攻撃ではなく、統合支援が不十分なまま低技能層を大量に受け入れ、性善説に基づいた公的支援を行った政策の失敗と見るべきです。

さらに、エリート層が歓迎する「高技能移民」についても、実態は「安価な労働力の確保」という側面が強いとモズレー氏は分析します。H-1Bビザなどのプログラムは、高度な専門職を補うためと言われながら、実際には米国人よりも20〜40パーセント低い賃金で働く外国人労働者を供給する仕組みに変質しており、STEM分野(科学・技術・工学・数学)の賃金は長期的に停滞しています。また、教育現場では一部の留学生によるアカデミック・インテグリティ(学問の誠実性)の欠如が問題視されており、提出書類の偽造や盗作の多さが大学の信頼性を揺るがせています。

政治的な側面でも、大規模な移民受け入れは特定の政党に有利な人口動態の変化をもたらしており、これが政策決定の強力な動機となっているという現実があります。不法移民に至っては、主権国家の法律を犯して入国する行為であり、これを是認することは法秩序そのものを軽視することに繋がります。モズレー氏は、韓国の脳外科医やドイツの技術者の受け入れと、住宅や学校、社会インフラに負担をかける低技能層の無差別な受け入れは「全く別の計算」であるべきだと強調します。移民政策の根幹は、すでにそこに住んでいる市民の利益に資することであり、国境を持つ政府としての基本的機能に立ち返るべきであると締めくくっています。

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