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2026-03-07

戦争の請求書

The $300,000 Question Nobody in Washington Can Answer - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【海外記事紹介】政治アナリストのジェリー・ノーラン氏が、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー市場の劇的な混乱と、それが世界経済に及ぼす致命的な影響について警鐘を鳴らしています。わずか1週間足らずで、液化天然ガス(LNG)の輸送運賃が1日あたり4万ドルから30万ドルへと650%も急騰しました。これは単なる一時的な価格変動ではなく、リアルタイムで進行している「経済的破局」の象徴であると氏は述べています。

世界の海上石油貿易の20%以上が通過するホルムズ海峡は、事実上、商業航路としての機能を停止しました。物理的な封鎖以上に深刻なのは、保険市場や主要な運送業者がリスクを嫌ってこの海域から撤退したことです。特にカタールがガス輸出に「不可抗力条項(フォース・マジュール)」を適用したことは極めて重大です。LNG施設はマイナス160度という極低温を維持する必要がある特殊なインフラであり、一度停止すると再稼働には数週間におよぶ慎重な工程を要します。たとえ今すぐに戦闘が止まったとしても、供給網の切断によるダメージはすでに確定しており、回復には時間がかかります。

カタールは世界のLNG供給の20%を担っており、その停止は日本、韓国、台湾、インドといったアジア諸国を直撃します。これらは半導体工場や病院、肥料生産などを支えるライフラインであり、供給の5分の1が突如失われたスポット市場で激しい奪い合いが始まっています。欧州の天然ガス指標価格も1週間で約76%上昇し、2022年のエネルギー危機の記憶が新しい中で、さらなる衝撃に見舞われています。

さらに、マースクなどの大手海運会社がホルムズ海峡の通航を見合わせ、アフリカ南端の喜望峰を回るルートに変更したことで、輸送時間は数週間単位で延び、コストは跳ね上がっています。このコストは最終的に、戦争とは無関係な世界中の一般消費者の光熱費や製品価格へと転嫁されます。ノーラン氏は、この事態を「意図的なエネルギー供給の除去」と呼び、自国でエネルギーを自給できず、基軸通貨を発行できない国々、特にグローバル・サウスの国々が最も高い代償を払わされることになると批判しています。今回の危機はパンデミックを上回る規模の経済的損失をもたらす可能性があり、その「請求書」は間もなく世界中の家庭に届くことになると警告しています。

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