Gold shortages in China - Research - Goldmoney [LINK]
【海外記事紹介】現在、中国の金市場で異例の事態が起きています。最新の報告によれば、中国最大手の中国工商銀行(ICBC)と中国農業銀行において、投資用の金地金が在庫切れになるという事態が発生しました。これは、不安定な国際情勢を背景に、中央銀行から個人投資家に至るまで現物資産への需要が極めて強まっていることを示しています。特に中国では、年間5兆ドルから6兆ドル規模に達する莫大な家計貯蓄の一部が、金の積立口座や地金購入へと一気に向かっており、銀行側がその需要を賄いきれなくなっているのが実情です。
貴金属市場全体に目を向けると、先週末のアメリカとイスラエルによるイランへの軍事行動を受け、市場では一時的に「安全資産としてのドル」を買う動きが強まりました。その結果、金と銀の価格は指標上で下落しましたが、これはあくまでペーパーアセット、つまり書類上の取引における現象に過ぎません。実態としては、価格が下がった隙に現物を確保しようとする動きが加速しています。特に銀については、上海市場での価格がロンドン市場に対して12%から14%もの高いプレミアム(上乗せ)で取引されており、世界中の保管庫から現物の銀が流出し続けています。ニューヨークのコメックス市場でも、引き渡し可能な銀の在庫が急減しており、市場の信頼性が揺らぐほどの危機的な状況にあります。
この背景には、中東での紛争が長期化するとの懸念があります。ホルムズ海峡の封鎖リスクによって原油や天然ガスの価格が急騰しており、これがさらなるインフレを招くとの見方が強まっています。かつてのロシアによるウクライナ侵攻時と同様に、エネルギー価格の上昇は債券や株式市場を不安定にし、結果として金や銀といった実物資産への逃避を促しています。投資家たちの関心は、もはや実体のない金融商品から、手元に置くことができる現物へと明確に移り変わっているのです。
現在の金・銀価格の下落は、現物を積み増したい人々にとっては絶好の機会と捉えられており、特に中国での旺盛な需要は止まる気配がありません。金融バブルの崩壊が懸念される中で、伝統的な安全資産である貴金属の希少性が改めて浮き彫りになっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿