Ignore the Rich, Don’t Loot Them | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】カリフォルニア州で最近提案された「億万長者税法(Billionaire Tax Act)」という住民投票案を巡り、富裕層を標的にした略奪的な政策がもたらす弊害について、経済的な視点からの批判が上がっています。この法案は単に懲罰的であるだけでなく、一般に報じられている以上に過酷な内容を含んでいます。例えば、創業者などが支配権を維持するために持つ「10倍の議決権を持つ株式」を、資産計算上も「10株分」としてカウントするという詳細があり、これが実施されれば計り知れない憲法上の論争や実務上の混乱を招くことは必至です。すでに欧州などの多くの国々が、同様の富裕層課税を導入したものの、測定の困難さや実効性の低さから廃止に追い込まれている現実を無視した暴挙と言えます。
さらに、この法案の異常な点は、今年初めに州内に居住していたのであれば、すでに州外へ転出した人に対しても遡及して適用されるという点です。これは「黄金のガチョウ」である富裕層を、羨望や嫉妬という感情的な政治動機に基づいて「略奪」しようとする試みに他なりません。記事は、こうした「富裕層のデモナイズ(悪魔化)」が、政府の不健全な財政選択から目をそらし、単なる「羨望の政治」にすり替わっていると指摘しています。ある反対デモの参加者が「もっと税金を払う気がないなら、出て行っても構わない」と語ったように、こうした感情に突き動かされた政策は、富裕層がその膨大な資産を他者の利益や社会のために活用しようとするインセンティブを根本から破壊してしまいます。
経済学者トマス・ソーウェルが「公共政策に解決策はなく、あるのはトレードオフ(妥協点)だけだ」と語ったように、政府が介入を強めることは、国民自身よりも情報が乏しく、動機も不純な意思決定者に権力を移譲することを意味します。経済教育財団の創設者レオナード・リードが1962年に述べた通り、自由市場こそが「出自や人種、国籍、富に関わらず、何百万人もの人々が協力・競争できる公正な場」であり、自発的な交換に基づく道徳的な行動を可能にします。富裕層への懲罰的な課税は、現在の成功者だけでなく、これから他者の役に立つことで富を築こうとする未来の挑戦者たちの意欲をも削ぎ、結果として経済成長を停滞させ、貧困層を含めた社会全体の利益を損なうことになります。
記事は、富裕層を「略奪」するのではなく、むしろ「無視」すること、つまり彼らの富そのものではなく、彼らが市場で生み出す広範な便益に注目すべきだと結んでいます。自由な環境下でこそ、持てる者がその資源を最大限に活用し、結果として貧しい人々も社会主義的な統制下よりはるかに良い暮らしができるという歴史の教訓を忘れてはなりません。
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