Neoconservatism: The Trojan Horse That Undermines the West - LewRockwell [LINK]
【海外記事紹介】昨今のガザ侵攻を巡る議論は、米国の保守主義運動の内部に潜んでいた深い亀裂を浮き彫りにしました。タッカー・カールソン氏やメーガン・ケリー氏といった有力なジャーナリストが、イスラエルのネタニヤフ政権に対する無条件の支持や、それが「アメリカ・ファースト」の理念とどう整合するのかに疑問を呈したことで、彼らを沈黙させようとする激しい圧力が高まっています。この記事は、この対立の本質を理解するためには、現代アメリカの知的決定要因となっている「ネオコンサバティズム(新保守主義)」の複雑な歴史と、そのマルクス主義的なルーツに遡る必要があると指摘しています。
ネオコンの起源は、実はロシア革命後のスターリンとトロツキーの対立にあります。トロツキーが提唱した「恒久世界革命」という概念、つまり資本主義だけでなくキリスト教的伝統をも根絶し、世界規模で民主主義を強制するという思想が、その種子となりました。第二次世界大戦後、ソ連の反ユダヤ主義や粛清に絶望したノーマン・ポドレツやアーヴィング・クリストルら「左翼からの巡礼者」たちが右派に転向し、ネオコンを形成しました。彼らは反共主義を掲げて従来の保守層に迎え入れられましたが、その世界観は依然として左翼的なグローバリズムに基づいたものでした。彼らは伝統的な地方自治や権力制限を重んじる旧来の保守主義(パレオコンサバティズム)を塗り替え、連邦権力を用いた「平等」や「民主主義」の輸出を正当化する思想へと変貌させたのです。
1980年代後半には、保守主義の父ラッセル・カークが「ネオコンの中にはテルアビブを米国の首都と勘違いしている者がいる」と公然と批判しましたが、ネオコン側はこれを反ユダヤ主義だと猛烈に反撃しました。1990年代までに彼らは主要なシンクタンクやメディアを占拠し、共和党内での圧倒的な影響力を確立しました。彼らにとってトランプ大統領の登場は、かつての孤立主義への逆行であり、断じて許容できないものでした。そのため、多くのネオコン論客が2024年の選挙ではカマラ・ハリス氏を支持するという皮肉な現象も起きています。彼らは「自由と平等」という言葉を使いながら、実際にはウクライナや中東など世界各地で自分たちの価値観を押し付ける「カラー革命」を支援してきました。
結局のところ、多文化主義を掲げる左翼とネオコン右翼は、用語こそ違えど「世俗的なグローバリズム」を推進する点では根底でつながっています。ネオコンが主張する保守は、文明を破壊する左翼的な潮流に対する真の防波堤ではなく、むしろそのウイルスを拡散させるための「トロイの木馬」に過ぎないと著者は批判します。現在起きているカールソン氏らとネオコン勢力の激しい争いは、単なる政策論争ではなく、MAGA時代の米国保守主義がその本来のアイデンティティを取り戻せるかどうかの瀬戸際にあることを示唆しています。
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