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2026-03-05

米・イスラエルの戦略なき戦争

Iran and Washington's War Without Strategy | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事紹介】アメリカ政府は、短期間で決着がつくと踏んで、宣戦布告なき不法な対イラン戦争を開始しました。しかし、開始から4日目を迎えた現在、当初4、5日で終了するとされた作戦期間は数週間に修正され、ドナルド・トランプ大統領自身もさらに長期化する可能性を認めています。この無計画な軍事行動により、すでに6人の米兵が戦死し、世界の石油供給の5分の1が通過するホルムズ海峡は事実上閉鎖されました。経済への打撃も深刻で、ダウ平均株価は1000ドル以上急落し、ガソリン価格は1日で過去4年で最大の跳ね上がりを見せています。米議会の承認も、国民の民主的な同意もないまま強行されたこの戦争は、法の支配や権力分立を信じる人々にとって極めて憂慮すべき事態です。

イラン側は、トランプ大統領がイタリアなどを通じて打診した停戦提案を即座に拒絶しました。イランにとって、かつてイスラエルとの衝突で見せた停戦の合図は、敵に再武装と体制立て直しの時間を与えるだけのものだったという苦い教訓があるからです。現在のイランの戦略は、単なる報復ではなく、戦争を継続するコストがワシントンにとって耐えがたいものになるまで攻撃を緩めないという冷徹な計算に基づいています。ハメネイ最高指導者の暗殺は、イランの戦意をくじくどころか、政権内の抑制的な声を消し去り、各軍事部門が中央の統制を離れて独自に動くという、より予測不能で危険な状況を招きました。

特に深刻なのは、戦場が軍事施設に留まらず、中東の社会基盤そのものに広がっている点です。ドバイやクウェートの国際空港、さらにはサウジアラビアの米大使館や民間ホテルまでもが攻撃対象となっています。この地域の経済を支えているのは、人口の約9割を占める外国人契約労働者ですが、戦争が長引けば彼らの一斉脱出を招き、金融や物流の基盤が崩壊しかねません。また、湾岸諸国の飲料水の大部分を賄う海水淡水化プラントが攻撃されれば、数日以内に都市の維持が不可能になるという構造的な脆弱性も抱えています。

さらに、アメリカ側の弾薬不足も浮き彫りになっています。主力兵器であるトマホーク巡航ミサイルの在庫は限られており、現在の生産能力では消費した分を補充するのに10年単位の時間が必要です。政治的な野心と産業の実態が乖離したまま、戦略なき戦争に突入したツケは、今後さらに膨らむでしょう。ワシントンは軍事的な勝利を期待していましたが、現実に手にしたのは、閉鎖された海峡、兵士の遺体、そして制御不能な地域経済の自由落下です。独断で戦争を始められる権力の集中が、再び最悪の決断を下したと言わざるを得ません。

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