Hong Kong, Singapore square off in race to become world’s gold trading hub | South China Morning Post [LINK]
【海外記事紹介】現在、アジアを代表する二つの金融都市、香港とシンガポールが、世界の金取引ハブの座を巡って激しい火花を散らしています。最新の報道によれば、両都市は地政学的な不確実性が高まり貴金属価格が急騰する中で、自国を世界的な取引拠点に押し上げようと、国家規模の戦略を加速させています。
シンガポール金融管理局(MAS)は、JPモルガンやUBSといった世界的なマーケットメイカーとの提携を視野に入れ、昨年から金市場の成長を支援する取り組みを強化していることを認めました。一方、香港も負けてはいません。2月25日に発表された政府予算案の中で、ポール・チャン財務長官は、税制優遇措置を盛り込みながら、香港を国際的な金取引ハブにする目標を改めて強調しました。香港金銀業貿易場(HKGX)のヘイウッド・チャン理事長は、中国本土との強力なコネクションこそが香港の「代替不可能な強み」であると指摘しています。中国は世界最大の金の生産国であり、かつ消費国でもあるため、人民元建てによる決済や本土との相互取引制度である「ゴールド・コネクト」の実現が、香港に圧倒的な優位性をもたらすという見解です。
インフラ面でも香港は具体的な計画を進めています。香港空港管理局は、金貯蔵庫の容量を1,000トン規模に拡大するプロジェクトを開始しました。さらに、今後3年以内に貯蔵能力を2,000トン以上にまで引き上げ、世界的に信頼される「金庫」としての地位を確立する方針です。同時に、今年中には政府系の中央清算機関による試験運用が始まる予定で、取引の透明性と効率性を高める仕組み作りが急ピッチで進んでいます。
これに対し、専門家からはシンガポールの先進的な姿勢を評価する声も上がっています。シンガポールは仮想通貨関連の金融商品において柔軟な姿勢を見せており、香港もトークン化された金(デジタル・ゴールド)などの革新的な分野で対抗していく必要があります。立法会議員のロバート・リー氏は、この競争を前向きに捉えており、アジア太平洋地域全体に金ビジネスを呼び込み、市場全体の成長につながると述べています。
世界の金市場の重心が欧米からアジアへとシフトする中で、香港の「中国本土との橋渡し役」としての機能がどこまで力を発揮するのか、今後の推移が注目されます。
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