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2026-03-01

銀は戦略的資産に

Silver, Strategy, and a Structural Deficit [LINK]

【海外記事紹介】銀(シルバー)市場が歴史的な転換点を迎えています。元大統領顧問でコラムニストのチャーリー・ガルシア氏は、銀がもはや単なる「貴金属」ではなく、国家安全保障に直結する「戦略的資産」に変貌したと指摘しています。最大の転換点は2026年1月1日、中国が精製銀の輸出に対して新たなライセンス制度を導入したことです。これにより、世界の精製銀供給の6割から7割を握る中国が事実上の輸出制限をかけられるようになり、世界の供給網に構造的な断絶が生じています。

ガルシア氏によれば、銀市場は2021年から5年連続で構造的な赤字に陥っており、その累積不足量は約8億オンスに達しています。これは世界全体の年間鉱山生産量に匹敵する規模です。需要の構成も劇的に変化しており、10年前には5割程度だった産業用需要がいまや全体の6割を占めています。特に太陽光発電パネルや電気自動車(EV)、AIデータセンター、5Gインフラといった「エネルギー転換」と「デジタル基盤」に不可欠な素材となっており、これらは景気に左右されにくい「必須の購入」である点が特徴です。

供給面での課題は、銀の7割から8割が銅や金などの副産物として生産されていることです。銀価格が上がっても、主産物である銅や金の採掘計画が変わらなければ、銀の供給は自動的には増えません。また、ガルシア氏は防衛産業における銀の重要性にも言及しています。最新鋭のB2爆撃機やレーダー妨害技術、AI兵器などの高度な電子機器には銀が多用されており、地政学的緊張が高まる中、その価値はさらに高まっています。

一方で、市場価格は長年の「ペーパー・トレード(紙上の取引)」や中央銀行による通貨価値の操作によって抑え込まれてきたと氏は主張します。過去20年間、米ドルは年平均で約7%ずつ価値を失ってきたと推計されますが、現物資産である銀は未だに過小評価されています。ガルシア氏は、現在の供給不足という物理的な現実がペーパー市場の圧力を上回れば、銀価格は1オンスあたり200ドルのレンジにまで到達すると予測しています。

また、FRB(米連邦準備理事会)の次期議長にケビン・ウォーシュ氏が指名されたことについても触れています。ウォーシュ氏はAIによる生産性向上がインフレを抑制すると主張していますが、38兆ドルに達した米連邦債務と財政赤字を前に、FRBが長期金利を完全に制御することは困難だとの見方を示しました。

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