War, Market Volatility, and Gold’s Long-Term Drivers [LINK]
【海外記事紹介】アメリカの貴金属専門メディア「マネー・メタルズ」の番組で、ホストのマイク・マハレイ氏が語った金・銀市場の動向と、戦争が経済に与える長期的な影響についての分析をご紹介します。イランを巡る地政学リスクの高まりを受けて金融市場が大きく揺れる中、マハレイ氏は目先の価格変動に惑わされない本質的な視点を提示しています。
まず、マハレイ氏は、金や銀が一時的に売られたことを捉えて「ブームは終わった」と報じる主流メディアの姿勢を批判しました。市場の混乱初期には、投資家が他の資産での損失を穴埋めするために、利益の出ている金などを現金化する動きがよく見られます。実際、金価格は1オンス5,100ドル超という歴史的な高水準を維持しており、銀も一時的な下落後に80ドル台を回復しています。こうした動きは上昇相場の終わりではなく、単なる市場の調整に過ぎないと彼は指摘します。
次に、戦争と金価格の歴史的な関係について興味深い分析が示されました。過去の湾岸戦争やウクライナ侵攻の例を見ると、金は実際に戦火が交えられる直前の「軍隊の増強局面」で最も大きく上昇し、いざ開戦すると一時的に急騰した後に反落する傾向があります。しかし、より長期的なスパンで見れば、金の価格を真に動かすのは戦場での出来事ではなく、中央銀行の金融政策です。2001年から2011年にかけて金が250ドルから1,900ドルへと急騰したのは、アフガニスタンやイラクでの戦争そのものよりも、その後の金融危機を受けたゼロ金利政策や量的緩和が主な要因でした。
また、マハレイ氏は現代のアメリカ経済が抱える「債務のブラックホール」という構造的問題に警鐘を鳴らしています。巨額の債務を抱える現在の経済は、高い金利に耐えることができません。そのため、地政学リスクによってインフレ懸念が高まったとしても、連邦準備理事会(FRB)はいずれ利下げや金融緩和を余儀なくされる運命にあります。さらに、イランとの衝突が長期化すれば、1960年代のベトナム戦争期と同様に、戦費調達のための政府支出がさらなるインフレを招き、1970年代のような深刻なスタグフレーションを引き起こす可能性があると警告しています。
最後に、主流派の経済学者が金への投資に懐疑的な一方で、モルガン・スタンレーのような大手金融機関の幹部が、従来の資産構成を見直し、ポートフォリオの20%を貴金属に割り当てるべきだと提言し始めている変化を紹介しました。マハレイ氏は、投資家は短期的なヘッドラインに一喜一憂せず、政府の借金と通貨の価値下落という根本的な経済のファンダメンタルズに目を向けるべきだと結論付けています。
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