Sprott: Gold in the Spotlight as Deglobalization Trend Accelerates [LINK]
【海外記事紹介】貴金属投資の大手シュプロット社が発表した最新レポートによると、昨年から加速している「脱グローバリゼーション」と「脱ドル化」の動きに伴い、金の重要性がかつてないほど高まっています。ここで言う脱グローバリゼーションとは、第二次世界大戦後の同盟関係の崩壊、政治・軍事的規範の浸食、そして通貨やコモディティを支えてきた根本的な前提の覆りを指します。シュプロットのアナリスト、ポール・ウォン氏とジェイコブ・ホワイト氏は、この構造的な変化が持続的なインフレと地政学的リスクプレミアムを招き、金が「中立的な予備資産」としての地位を確立しつつあると分析しています。
世界が異なる経済ブロックへと断片化しても、ブロック間の貿易は継続されます。その際、共通の「参照価格」として機能するのが金です。ウォン氏は、金がいかなる勢力にとっても魅力的なのは、誰もが合意できる中立的な価値の保存手段であるからだと指摘します。近年の中央銀行による記録的な金買い(2022年の1,136トンを筆頭に、3年連続で1,000トン超え)は、この新しい世界秩序における金の役割を象徴しています。また、膨大な政府債務とインフレを背景に、投資家が法定通貨建て資産から金などの実物資産へ資金を移す「ディベースメント取引」が、一時的な流行から構造的な投資テーマへと進化しています。
レポートはさらに、2026年には「フィスカル・ドミナンス(財政優位)」の状況が強まると予測しています。これは政府支出が金融政策を規定し、中央銀行がインフレ抑制よりも債務の持続可能性を優先せざるを得ない状況を指します。このような環境下では、中央銀行は経済崩壊を避けるために意図的に高めのインフレを許容する可能性が高く、伝統的な債券や現金の魅力が低下する一方で、貴金属やインフレ連動債などの実物資産が有利な配分先となります。モルガン・スタンレーのCIOマイケル・ウィルソン氏も、従来の「株式60:債券40」の配分を見直し、20%を貴金属に割り当てる「60:20:20」モデルへの転換を提唱しています。
現在、欧米の機関投資家や個人投資家のポートフォリオにおける金の割合は平均して1%未満に過ぎず、チャート上では「買われすぎ」に見えても、実態としては依然として「過小投資」の状態にあるとシュプロットは指摘します。投資家がわずかでも保有比率を引き上げれば、それは莫大な需要となり、価格をさらに押し上げる要因となります。2025年のような記録的な高騰が2026年も続くかは未知数ですが、地政学的ショックや流動性の波が繰り返される中で、金の上昇リスクは依然として高いままです。ウォン氏は「世界がバラバラに壊れていく中で、共通の準備制度が必要になるのは必然だ」と締めくくっています。
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