2018年7月16日月曜日

物価安を素直に喜ぼう

物が安く買えるのは、うれしいものです。ところが今の日本は、この素直な気持ちを口に出すのがはばかられるような空気があります。「デフレ脱却」がお国の目標として掲げられているからです。物価安を無邪気に喜ぶのは、経済に無知な証拠なのでしょうか。

政府・日銀はデフレから早く脱却しなければならないと主張してきました。デフレとは物価が持続的に下がることです。日銀は4年前に物価2%上昇の目標を掲げ、量的金融緩和やマイナス金利など前例のない政策を動員してきましたが、当初期限としていた2年を大幅に過ぎた今も、達成のメドすら立っていません。

そもそもデフレはなぜ良くないのでしょう。政府・日銀によれば、経済成長を妨げるからだといいます。たしかに1930年代米国の大恐慌など、デフレと経済の縮小が同時に起こったこともあります。しかし他の国や時期を見ると、むしろそうでない場合が多いのです。

国際決済銀行(BIS)が2015年3月に公表した報告書によれば、38カ国・地域について1870年までさかのぼって調査した結果、デフレ時に経済成長率が大きく低下したのは大恐慌のときだけだったそうです。

もしそうだとすれば、これまでさまざまな副作用を伴いながら推し進めてきたデフレ対策はいったい何だったのかという話になりますが、それはここでは立ち入りません。少なくとも、物を安く買うことに後ろめたさを感じなくてよいことは確かです。

記事によると、ガソリンや航空機の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)に原油安の恩恵が広がり、値下がりしているそうです。あなたが日銀総裁でなければ、渋い顔などする必要はありません。物価安を素直に喜び、夏を思い切り楽しみましょう。(2017/07/16

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