2018年7月4日水曜日

米原発閉鎖の教訓

米スリーマイル原子力発電所が運転許可の期限まで15年を残し、2019年に閉鎖されるそうです。退場を迫ったのは、安価なシェールガスの増産です。日本と同様、米国でも原発は政府の後押しで推進されてきましたが、目算が狂った格好です。ここから学ぶべき教訓は何でしょうか。

記事によれば、米国の原発の発電コストは2014年までの12年間で約35%上昇する一方、卸電力市場での取引価格の低下で、既存原発でも競争力の維持が難しくなっています。米国は世界最大の原発大国ですが、2010年代に入り、経済性の悪化を理由に閉鎖を決める原発が相次いでいます。

米国でも原発は自由な市場経済に基づいて経営されてはいません。政治力のある大企業が政府から融資保証の形で多大な支援を受け、建造します。それでもシェール革命のような市場の変化に対応できず閉鎖に追い込まれ、これまで直接・間接に投じた税金を無駄遣いすることになりました。政府を通じて原発に回したお金を民間で有効に使っていれば、エネルギーやその他の産業がより発展したでしょう。

日本でも米国のように電力自由化が進めば、発電コストの高い原発はさらに苦境に立つ可能性があります。エネルギー安全保障の観点から、政府が支援し続けるべきだという意見もあるでしょう。しかし結局、経済合理性を無視した事業は行き詰まり、利用者や納税者に負わなくてもよかったはずのコストを押しつけ、国の経済力を弱めます。これがスリーマイル原発の教訓ではないでしょうか。(2017/07/04

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