2022-05-03

戦争プロパガンダが始まるまでは、誰もが反戦派だ

ジャーナリスト、ケイトリン・ジョンストン
(2022年4月27日)

戦争プロパガンダが始まるまでは、誰もが反戦派だ。誰も自分のことを戦争屋だとは思わないが、プロパガンダの機構が動き出すといつの間にか、プログラムされたスローガンを口にし、プログラムされた旗を振り、帝国の戦争マシンが望むものすべてに同意するようになる。

真の反戦派であることはたやすくない。操作・混乱を図る情報の洪水に悪戦苦闘していると、洗脳された人々から罵声を浴びる。かわいくもない。楽しくもない。心地よい愛と平和のひとときでもない。やらない理由を乗り越え、これまで存在した中で最も洗練されたプロパガンダマシンに立ち向かうことだ。

人々が自分を「反戦」と考えるとき、たいていはイラク戦争に反対するとか、ヒトラーのような理論上の大統領が、人殺しが好きだから戦争を始めるといったことを想像しているのだろう。反戦が実際にどのようなものかという現実を思い描いていない。

国民に戦争を売り込むことは、あらゆる戦争戦略に組み込まれている。戦争はつねに魅力的に見えるように設計されている。残虐なプロパガンダが行われないことはない。軍事介入を特別で必要なものとして売り込む理由は必ずある。現代の戦争はそうやってパッケージ化され、表現されているのだから。

自称左翼や反帝国主義者が、米国の最新の戦争計画をいつも応援するのは、このためだ。彼らは理論的には戦争というものにイデオロギー的に反対しているが、実際に現れる戦争の姿はいつも、彼らの描いていたものとは違うのである。

主流メディアがプロパガンダについて発する警告は、ロシアのプロパガンダが、欧米人の消費するプロパガンダ全体の100%近くを占める印象を与える。実際にはわずか1%にすぎない。プロパンダのほとんどすべてが、欧米の情報源から発信されている。

プロパガンダは、社会で最も見落とされ、過小評価されている側面だ。大衆の考え方、行動、投票に、いかなる公式の制度よりもはるかに大きな影響力を持つ。しかしほとんど議論されず、学校でも教えられず、政治思想でも触れることがない。

ロシアのプロパガンダに体制側が気をもむのは、彼ら自身がメディアを使って大衆の考え方や行動、投票方法を操作できると白状するに近い。自分たちがやっていることを認めていないだけなのだ。

すべての嘘をすぐに見破れるだけの知識と経験があると思い込んではいけない。相手は強力なプロパガンダマシンであり、人は幼い頃からその影響に浸かってきた。意識の高い人でさえ、主流の世界観に洗脳され、世界について得る情報のほとんどはプロパガンダの仮想現実から育ち、枝分かれしたものなのだ。

本当に真理に基づいた世界観を形成するためには、物事を明確に見る努力が必要だ。そうしない限り、真の反戦は不可能である。自分が理解していないものに反対しても、うまくいかない。帝国の戦争マシンと戦うためには、帝国のプロパガンダマシンと戦わなければならない。

(次より抄訳)
Everyone’s Anti-War Until The War Propaganda Starts – Caitlin Johnstone [LINK]

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