2022-05-09

戦争屋が中国問題について間違っている理由

ミーゼス研究所会長、ルウェリン・ロックウェル
(2022年5月9日)

バイデンと彼を操るネオコン一味は中国と戦争を始めようとしている。米国は中国と争う必要があるのだろうか。なぜ中国と平和的・友好的な関係を築けないのか。戦争屋どもは、それはできないと言う。その「主張」とやらを見てみよう。

米国の戦争屋によれば、中国政府は異論を弾圧し、人々を監視下に置いているという。これは事実だが、なぜ中国と戦争をする理由になるのだろうか。

米国の高学歴エリートは自国の伝統だった言論の自由、宗教の自由、私有財産の擁護をほとんど放棄し、覚醒した左翼は大学や大企業で、中国共産党でさえ否定した毛沢東の文化大革命じみたイデオロギー専制を確立しようとしている。米国が人権侵害を理由に中国を攻撃するとは、偽善以外の何物でもない。

中国は太平洋で勢力を拡大し、台湾の征服を目指していると戦争屋はいう。もしそうでも、それがなぜ米国にとって重要なのか。ミスチーフ礁(美済)だのスカボロー礁(黄岩島)だのを誰が支配するかは、米中の戦争を正当化するほど重大なことなのか。

オースティン米国防長官は、中国が新疆ウイグル自治区のウイグル人に対し、ニュルンベルク裁判でナチスが絞首刑にされた罪に匹敵する犯罪(ジェノサイド)を行っていると公に非難する。だが中国がウイグル人を迫害しているという主張には、疑うだけの理由がある。

いずれにせよ、誰が米国を世界の諸問題の責任者に任命したのだろうか。中国は、米国がメキシコやアメリカ先住民から盗んだ財産を取り戻すために、米国を攻撃する権利があるのだろうか。

中国が台湾に進攻した場合、米国は何をする用意があるのか、あいまいなままだ。ニクソン大統領とキッシンジャー補佐官が1972年に「中国の一部」と発言した台湾の独立のために、米国は中国と戦うのだろうか。

1956年のハンガリー動乱の際、ソ連がブダペストに戦車を進入させたが、アイゼンハワー大統領は介入を拒否し、代わりにハンガリー難民を歓迎した。1961年にベルリンの壁ができた際、ケネディ大統領は予備役を招集してベルリンに行き、有名な演説をしたが、何もしなかった。

実のところ、中国は米国を脅かしてはいない。米国が中国を脅かしているのだ。米国が中国周辺で軍事的な包囲を強化したため、中国は対応を余儀なくされている。習近平の動きは何もないところから生まれたわけではない。

2010年代初め、当時のオバマ米大統領は、尖閣諸島(釣魚島)が日米安保条約の対象だと表明した。このような挑発行為は、中国を封じ込めようとする企ての一環で、緊張を生む。中国は当然反応し、攻撃的で拡張主義だと非難されることになる。こうして双方が軍事化するという悪循環に陥っている。

中国と戦争をしたくなければ、中国を軍事的に包囲しようとするのをやめよう。真実を知ることは重要だが、それ以上に重要なのは、真実に基づいて行動することだ。今のうちに、米政府を牛耳る犯罪者集団の狂気を止めよう。

(次より抄訳)
Why the Warmongers Are Wrong About China - LewRockwell [LINK]

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