カウンターパンチ、リチャード・ルーベンスタイン(2022年4月29日)
2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は、「プーチンの戦争」と呼ばれても仕方がないものだった。2014年に親露政権が倒されて以来、米国の武器がウクライナに流入し、同国はドンバスの親露派を殺害するためにそれを使っていた。しかし組織的な暴力へと一線を越えたのはやはりプーチンの責任だ。
それでも、そこで議論が終わるわけではない。それどころではない。 当初はプーチンの戦争と呼ぶのが正しかったが、今やバイデン(米大統領)の戦争にもなっている。
米国の高官はウクライナへの重火器のさらなる大量輸送を約束し、ウクライナの「勝利」を口にするようになった。 ブリンケン国務長官とオースティン国防長官はウクライナに赴き、ゼレンスキー政権がロシアを「敗北」させ、「弱体化」させるために必要なあらゆる軍事・経済支援を提供すると約束して帰ってきた。
このようなハイリスクなチキンゲームを正当化する理由は何だろうか。プーチンが不当に戦争を始めたので、ウクライナと支援国は侵略者を罰するために戦争を激化・長期化させる権利があるらしい。防衛側は侵略者と交渉する義務はないということだ。たとえ交渉拒否が核戦争開始のリスクを伴うとしても。
この論理は、誰が戦争を始めたかということだけで戦争を正当化したり、不当化したりすることの誤りを示している。 戦争は、間違って始めた場合だけでなく、間違って激化させ、長引かせた場合にも不当である。 紛争の起源だけで、その倫理的・非倫理的な内容が決まるわけではない。
もし今、プーチンがドンバス共和国の地位に関する交渉などロシア側の利益のために停戦を申し出たとしたら、米国とウクライナはプーチンを罰したり「弱体化」させたりするために対話を拒否することが正当化されるだろうか。 もちろん、そんなことはない。
米国がロシアの核の「脅し」に対抗し、兵器の威力を示せば、欧州における米国の覇権を確保し、アメリカ帝国がまだ健在だと示せるし、中国との対決に向けた地ならしにもなる。 米欧陣営で最も幸せなのは、軍国主義者、軍産企業、そして新たな冷戦、あるいは熱い戦争を切望する政治家たちである。
ロシアの指導者は不当に戦争を始め、米国の指導者は不当に戦争を長引かせた。この戦争の現在の犠牲者はウクライナ人とロシア人であり、このまま激化すれば、欧州と世界の人々が犠牲者となる恐れがある。今こそすべての関係者が、国連のグテレス事務総長とともに分別ある話し合いを行うべきだ。
(次より抄訳)
The New Turn in Ukraine: Putin’s War Becomes Biden’s War - CounterPunch.org [LINK]
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